症例紹介:突発性三叉神経痛
2016年02月18日 公開
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
去年年末あたりから、突発性三叉神経痛の症状を訴える患者さんが数名いらっしゃいました。寒い時期に発症しやすいことでしょう。
発症してまだ軽いうちにすぐ鍼灸治療を受ければ、一回の治療だけで完全に痛みが取れました。難治性のものはまず数回の治療を続けて様子を見ますが、最終的な完治を目指します。全症例には、顔面帯状疱疹の所見はありませんでした。
主穴(主訴治療に対する主要なツボ)の選穴(治療のツボを選ぶこと)はまず三叉神経の解剖学的理解が必要で、神経の走行上に選びます。基本は全身治療を行います。
三叉神経は最も太い脳末梢神経で、3つの枝に分かれて顔面皮膚や上下の歯などに分布し、痛み・温冷覚などを感じ取ります。
第1枝:眼神経。
第2枝:上顎神経。最も多い三叉神経痛はこの第2枝です。
第3枝:下顎神経。舌の前2/3の一般感覚と咀嚼筋も支配します。
突発性三叉神経痛の原因は動脈硬化や異形を起こしている血管(9割)、腫瘍による圧迫と言われています。西洋医学では服薬(対症療法)、神経フロック注射(対症療法)、手術(根治療法)などの治療法はありますが、鍼灸治療との併用は早く治癒に導くことでしょう。生活上の注意としては、特に痛む箇所への物理刺激をなるべく避けましょう。繰り返し触ったり、冷やしたりしないように。
三叉神経痛は激しい痛み(数秒から数十秒)が走り、ときに耐えがたく、重症化すると生活の質は明らかに下がります。ぜひ軽いうちに治療を始めましょう。