治療案内
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胡鍼灸治療院の特長
特長1 治療と予防を両立
鍼灸の真髄は「病気の予防」にあります。
病気の種類を問わず、一旦なりましたら、治癒するまでとても大変です。若年であればまだしも、加齢に伴い治りは段々悪くなり、時間がかかりますし、時には慢性化し、完治できないこともしばしばあります。従って、病気にならないことが何よりも大事です。
そのため、当院に通院中の患者様に対して、目的治療(例えば、腰痛や頸椎症の治療、糖尿病の治療、不妊症の治療等)以外に、必ず同時に予防治療もします。その内容の一部は、以下となります:
○40歳以降の方には、脳血流の改善及び脳神経細胞の活性化を図り、認知症の予防治療をします。
○年齢問わず、免疫力(自然治癒力)を向上させる予防治療をします。
○冬になると、インフルエンザや肺炎の予防治療をします。
○夏になると、夏バテや熱中症の予防治療をします。
○女性の患者様には、膀胱炎・生理痛等の予防治療をします。
○男性の患者様には、お酒を嗜む機会が多いでしょうから、肝機能・腎機能を高める治療をします。
○一度治った病気が再発しないように、常に念頭に置き、予防治療をします。
その上、問診を通して、患者様の仕事・生活環境、ご本人・ご家族が過去にかかったことのある疾患、健康診断(或いは人間ドック)の結果などを総合評価し、場合によっては、その患者様のための予防治療を更に加えていきます。1992年当院が開院以来、継続的に通院されている多くの方々で、がん、糖尿病、認知症を発症した方は一人もいません。当院独自の予防治療方式は生活習慣病等の予防に非常に効果的です。
特長2 東洋医学と西洋医学を融合
東洋医学の臨床原則と西洋医学の基礎理論を統合し、患者様お一人ひとりに合う最善な鍼灸治療方案を処方します。当院の院長(中国で西洋医学の内科臨床医として長年医療現場を経験)と常勤鍼灸師は常に最新の医療知識と医療技術の動向を把握することを重要視し、患者様の症状を東洋医学と西洋医学両方の視点から分析し、それを我々の鍼灸治療に反映させています。
例えば「糖尿病治療」の場合です。
東洋医学では、糖尿病のことを「消渇病」といい、「上消」、「中消」、「下消」に分類します。「上消」の症状は、喉が渇きやすく、水をたくさん飲みたがります(口渇、多飲)。「中消」は食べてもすぐにおなかが空き、痩せていく症状(消穀善飢)がでます。「下消」はトイレの回数が多く、尿量が多い(多尿)等があります。伝統的な鍼灸治療はこれらの症状によって、治療対象となる経絡と経穴(ツボ)を決めた上で、鍼の手技やお灸の刺激量を細かく調節します。
一方、西洋医学は糖尿病をⅠ型とⅡ型に分類し、Ⅰ型は自己免疫疾患で、Ⅱ型は生活習慣病としています。通常血中グルコースの濃度、つまり血糖値は常に一定範囲内に保たれています(グルコースホメオスタシス)。食事などによる上昇は、膵臓から分泌されるインスリンによって適正に下げられ、通常高くなりすぎることはありません。しかし、インスリンの分泌不足、或いは分泌しているが、血糖値を下げる機能は正常に動作しない(インスリン抵抗性)ことにより、血糖値が上がります。増えすぎた糖分は血管壁のたんぱく質と結合し、動脈硬化などの血管障害を引き起こします。合併症として、末梢神経障害、腎不全、網膜症、心筋梗塞、脳梗塞等が挙げられます。
当院の鍼灸治療はまず東洋医学の診察から「証」(=東洋医学独特の考え方で、診断名であり治療の指針にもなる)を判別し、加えて西洋医学の知見から以下の事を考慮しながら、最終的なツボ処方を決めていきます。
○膵臓からインスリンの分泌を促進する。
○筋組織にあるインスリンレセプターを活性化する。
○細胞の新陳代謝と血中グルコースの取り込みを促進する。
○肝機能の一つ、血中グルコースからグリコーゲンに変換させる機能を促進する。
○血管内膜における炎症反応を抑え、動脈硬化の進行を防ぐ。
○血流を良くし、血液の粘度を減らし、動脈内膜のプラーク形成を抑制する。
特長3 全身と局所治療を同時進行
どんな局所の症状や病気であっても、からだ全体に悪影響を与えます。反対に、からだ全体の状態が良ければ、局所の病変は早く治ることがあります。例えば、喉に痛みのある咽頭炎。喉の局所に炎症を起こして、痛みと腫れがあるため、食べたり飲んだりする時に激しい痛みを感じます。痛みでストレスが溜まり、食欲が落ち、食べること自体が苦痛となります。食べなければ体力が落ち、免疫力も弱くなります。喉の炎症が治るどころか、口内炎も発症したり、炎症はさらに上気道(気管)に浸潤したりして、病気の治りが長引いてしまいます。一方で、もしからだ全体の健康状態が優れていれば、免疫力が強く、短期間で自然治癒する可能性もあります。
そのため、当院の治療原則は局所治療と同時に、全身治療をします。全身の状態が良くなれば、局所の病は自然と治って行きます。
例えば、「顎関節症」と診断され来院した患者様に対して、当院では、顎関節局所だけの治療で済ませることはしません。顎関節周囲の炎症を取りながら、必ず全身治療を行います。顎関節症は口を開ける時や食べ物を噛む時に痛みや音がするなどの症状以外に、首・肩・背中の筋肉も緊張し凝るようになります。ひどい時は、頭部の筋肉も緊張し、頭痛も出ます。これらの筋緊張は、顎関節周囲の筋緊張を更に呼び込み、ずれた関節はなかなか正常位置に戻らず、自覚症状が更に悪くなるという悪循環に陥ります。このため、顎関節周囲に施術しながら、首・肩・背中の筋肉をほぐしたり、自律神経のバランスを調節したりする全身治療を行います。患者様によっては一回だけの治療で自覚症状は改善され、その後の再発もありません。
特長4 根治と対症療法を両立
原因のない症状や病気はありません。免疫医学の発展、人間遺伝子の解明、ナノ単位まで進化しようとしている精密検査機器の開発などにより、今まで「原因不明」と言われた数多くの病気について、徐々に解明されてきました。
当院は患者様の症状に対して、まずその原因を追究するようにしています。例えば、手の痺れ。通常痺れというのは、手まで伸びている神経が何らかの原因で圧迫されていると考えられます。では、どこの個所で圧迫を受けているのかを突き止めない限り、どんなに手だけを治療しても、すぐに元に戻り、症状は改善されることはありません。圧迫箇所は首か(頸椎症、頸椎ヘルニア等)、胸のあたりか(胸郭出口症候群)、頚肩腕の使い過ぎか(頚肩腕症候群)、手首か(手根管症候群)、まずそれを判明する必要があります。例えば、頸椎ヘルニアによる手の痺れだとわかったら、治療部位には「首」(=頸椎)を加えて初めて、根治することができます。
もう一つ、「自己免疫疾患」を考えます。当院は多くの自己免疫疾患の治療実績を持っています。先ほど、近代医学の進歩により、数多くの病気の正体を突き止めることができたと述べましたが、残念ながら、「難病」に指定されている約300の疾病について、まだ原因も治療法も確立されていません。例えば、ベーチェット病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス等に代表される自己免疫疾患に対して、対症療法とステロイド剤や免疫抑制剤を投与するのが主流です。免疫細胞が間違って自分の体の正常な組織まで攻撃するのを抑制するのが目的ですが、副作用として、免疫力を同時に下げてしまいます。そのため、風邪、肺炎、がんなどの病気を引き起こす誘因となったり、通常病気を起こさないような無害或いは弱い病原体でも、感染症を引き起こしたりします。当院では、患者様の様々な自覚症状を改善する治療を行うと同時に、治療ポイントを免疫系の異常機能(免疫細胞の暴走)の是正に置きます。これは鍼灸の得意分野でもあります。鍼灸治療は副作用のない治療法です。数多くの患者様が症状を改善し、仕事をこなしながら日常生活を取り戻しています。
特長5 生活指導と健康相談
病気を治す過程は患者様と医療者との共同作業です。患者様の主治医はご自身で、医療者はそのお手伝いです。
多くの病気は普段の生活習慣を少し変えるだけで、かなり改善できるものです。例えば、女性に多い膀胱炎の場合、下腹部や排尿時に違和感を感じたら、すぐに多めの温かい水分を飲んで、意識的にたくさん尿を出す、下半身を温かくする(例えば、下腹部の衣服にカイロを貼り温める)などの手当てで、膀胱炎に発展せず自然に良くなることがほとんどです。
当院では、一人の患者様の治療時間は平均して約90分ぐらいです。その間、鍼灸師はよく患者様と会話をします。患者様の生活習慣から病気との因果関係を探り出し、それを患者様に伝えると同時に、注意事項や生活指導、養生法も一緒にお話します。鍼灸治療に加えて、患者様ご自身が養生法を知れば、より良い相乗効果が期待でき、病気の治りも早いです。
また、当院の患者様に無料相談も実施しています。患者様だけでなく、そのご家族・親戚・友人に関する健康相談もしています。院長は中国の医師免許を持ち、豊富な臨床経験も持つ西洋医学の内科医・総合診療医でした。また、常勤鍼灸師も東洋医学だけでなく、西洋医学の基礎理論、最新医療動向を随時把握することを必須条件としています。患者様からよく、「こういう症状が出て、どうしたらいいか?」、「うちの主人はこういう症状で、先生の治療院に行ったほうがいいか、それとも病院に行ったほうがいいか?」、「病院に行くなら、何科を受診すればいいか?」などの相談を受けます。
一例を挙げます。当院の患者様からある日の午前にお電話がかかってきました。「先生、うちの主人は腰が痛くて、よければ今すぐに先生の治療院に連れて行ってもいいですか?」と言います。そこで、
「いつから痛くなったのですか?どんな痛みですか?以前も腰痛になったことがありますか?」と聞きました。
「腰が痛くなったのは初めてです。今日の明け方寝ていたところ急に痛くなって、寝ていても立っても痛い。冷や汗が出るぐらいすごく痛がっています。」と患者様が続けました。
「以前、血液検査で尿酸値が高いと言われたことはありますか?」と患者様に聞きました。
「うちの主人、尿酸値はずっと高いです。」と患者様が答えました。
「それでは、今の激しい腰痛は尿管結石からきている可能性が高いです。一刻も早く総合病院の泌尿器内科に連れて行ったほうがいいです。」とアドバイスをしました。
患者様はすぐにご主人を病院に連れて行き、「尿管結石」との診断で、即入院させられました。五日間の入院でしたが、今は高尿酸血症の治療薬を飲んで、再発はしていません。
特長6 清潔で、ゆったりとした治療空間
○広い待合室
○ゆったりとした個人空間、治療スペース
○当院で使用する鍼等の治療器材は完全に滅菌処理済みです。通常病院の外科手術用滅菌室で採用されている高圧蒸気滅菌と同等なレベルですので、ご安心下さい。
*「滅菌」とは、病原体(細菌、芽胞、ウィルス、真菌等)・非病原体を問わず、すべての微生物を死滅、または除去すること。
治療室 |
待合室 |
待合室 |
治療理念&方針
治療理念
「医は仁術、その原点は癒し」を理念に、
医療者としての良心で最善の治療を施します。
治療方針
1、疾患治療と同時に、病気全般を予防するための予防治療も行います。
2、東洋医学の臨床原則と西洋医学の基礎理論を統合し、「個体治療」を
見極めた上、患者様お一人ひとりに合う最善な鍼灸治療方案を処方します。
3、患部に対する局所治療(対症療法)と同時に、全身治療(根本療法)も行います。
常勤鍼灸師
◆胡 伊拉
(2021年末に定年退職後、現在治療院顧問。中国の医師(内科臨床)、鍼師、灸師、按摩・マッサージ・指圧師)
略歴
・・中国医科大学(中国瀋陽)卒、同年中国遼寧省開原県立病院内科医局に入局、
内科臨床医として勤務する。
・・中国黒竜江省衛生管理幹部学院 衛生行政学部長、中国黒竜江省医学情報研究所
所長を歴任。
・・世界保健機構(WHO)のフェローとして来日、国立公衆衛生院研究課程に入学、
公衆衛生学博士号を取得。
・・学校法人呉竹学園東京医療専門学校を卒業、学園賞を受賞。
鍼師、灸師、按摩・マッサージ・指圧師の国家資格を取得。
同年(1992年)、胡鍼灸治療院を開業。
◆上谷 笙子
(院長。鍼師・灸師)
私は中国の高校を卒業してからすぐに日本にきました。現地の大学への入学は既に決まりましたが、やはり母(当治療院の創立者でもあります)がいる日本で学びたい一心で、東京にある日本語学校(前・国際学友会日本語学校)への入学を決心しました。当時の日本はまだバーブル期にあって、中国からの留学生はそれほどいませんでした。最初に出会った日本語学校の先生方、そして大学の先生や同期の友達、アルバイト先の上司、就職した会社の先輩や同期の仲間、温かく素晴らしい人々に恵まれ、これからの人生はここ日本で生きていくことを心に決め、今日に至っております。
十年間、通信ネットワーク系のエンジニアとして働きましたが、妊娠・出産をきっかけに、鍼灸師としての道を新たに目指すことにしました。そもそも、子供の頃から西洋医学にも東洋医学にも強い興味を持っていて、鍼灸治療でどんどん元気になっていく母の患者たちと会話を重ねていくうちに、自分も鍼灸の仕事をしたいと思うようになりました。人の病気は最終的には、その人の体に本来備わっている自然治癒力で治ります。この力が十分であれば、そもそも最初から病気にかかりません。逆にこの自ら治る力が足りないと、手術でも薬でも期待通りの回復は難しいと、そう考えた時に、「鍼灸」というキーワードが自然に頭に浮かびました。なぜなら、鍼灸治療というのは副作用を心配することなく、からだとこころの変調に同時にアプローチすることで、この自然治癒力つまり免疫力を回復させ、高めることができるからです。
その上、病気の予防を非常に得意とする鍼灸なら、既に病気にかかってしまった方だけでなく、健康に対する不安を感じながらもまだ自覚症状のない、いわゆる未病の方も、病気を予防し、からだとこころの安定を取り戻した上、維持させることができるのではないかと思うのです。
鍼灸師として働いている今、日々責任とやりがいを感じながら、患者様に寄り添うことができる喜びを噛みしめております。治療院設立当初の理念と治療方式を守り、まず患者様のことを第一に考え、これからも患者様と一緒に真の健康を目指していきます。
略歴
・・中国黒竜江省ハルビン市第3高校を卒業後、留学生として来日。
・・慶応義塾大学理工学部に入学、六年後理工学研究科修士課程を修了。
・・KDDI(株)など、日本及び外資大手情報通信会社にて十年間勤務。
・・学校法人呉竹学園東京医療専門学校を卒業。
特待生並びに学園賞を受賞。
鍼師、灸師の国家資格を取得。
・・趣味:歌、疲れないハイキング、ゆる~いストレッチ、社交ダンス。
治療の流れ
1お電話でご来院の日時を予約してください。
2ご来院されましたら、待合室でまず問診表一式にご記入頂きます。
3視診 → 問診 → 必要に応じて徒手検査等を経て、
個人スペースで治療を開始します。
4まず着替えをして頂きます。
次に血圧測定、心音聴診、お腹や背中の触診をさせていただきます。
5最初は仰向けでの治療を行います。その後、うつ伏せになっていただき、
背中等の治療を行います。
なお、患者様の主訴によっては、最初にうつ伏せの姿勢から治療を開始
することもあります。
6治療は平均90分前後かかります。
治療が終わりましたら、着替えて頂き、待合室で次回の予約をしてください
(必要に応じて)。
著書&雑誌連載
著書
「ハリ・灸はどうしてこんなに効くのか」(創論社)ー日本を代表する役者、故・三國連太郎さんがご推薦の本
「効果てきめん!ツボの本」(日東書院)
「すぐ効く治るツボの秘密」(保健同人社)
「冷たい飲み物はとるな。病気にならない人が徹底していること」(幻冬舎)-作家・評論家・エッセイスト 下重暁子さんと女優 名取裕子さんがご推薦の本
連載
「ツボ療法で未病を治す」(保健同人社:『暮らしと健康』 )等