鍼灸による予防治療:胆嚢と大腸の意外な関係
2015年10月20日 公開
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
以前「胆嚢摘出」の手術を受けた方はいらっしゃいませんか。うちの患者さんも胆嚢結石や胆嚢ポリープでこの手術を受けた方は複数名いらっしゃいます。胆嚢摘出と大腸の健康に関して、気になる学術論文(「日本消化器病学会雑誌」)を読んだことがきっかけで、うちのこうした患者さんを対象に、大腸の機能維持と病気予防の治療を毎回やらせて頂いております。
うちの患者さんで、初診時の問診や普段の雑談で胆嚢摘出したことが発覚したことがあります。もちろん、既に快復しご本人もそのことを忘れるぐらい普段の生活は何の不自由もありません。それはそれで一番よいのですが、うちの治療院では主訴の治療と共に、大腸の健康維持にも気を配ります。
胆嚢は肝臓で作られた胆汁を一時的に蓄積、濃縮する役割があり、また十二指腸への分泌もホルモン刺激との連動でコントロールしています。胆嚢摘出すると、胆汁は常に腸に流れ、結果的に大腸粘膜の細胞増殖を促進し、大腸がんのリスクを高めてしまう可能性があります。このため、うちの治療院では病気予防と健康促進の一環として、生活指導と共に、大腸の機能維持の治療も毎回欠かさず行います。
もちろんあえて、胆嚢摘出と大腸がんの関係性について患者さんに詳しく説明しないときが多いです。そう、だまってせっせっとやるべき治療をやるだけなんです。患者さんによっては、気になり過ぎてストレスや不安となり、かえって免疫力が下がってしまうことがあるからです。患者さんの性格を理解し臨機応変に対応することも、鍼灸という仕事ならではの持つべき思いやりだと思います。
今週の待合室(^-^)。