症例紹介: 咳と喘息に対する鍼灸の治療効果
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。いきなりですが、ある喘息になりかかった患者さんの治療記録を拝借いたしました(一ヶ月分ですので、少々長めです):
2015/8/1 冷房をつけっぱなしで寝た。朝体が冷え切っていた。
2015/8/2 咳が出始めた。
2015/8/5 咳がひどくなり、黄色い痰が絡むようになった。仕事は休めないため、薬で症状を抑えようと病院へ行った、気管支炎だろうと。抗生剤&痰を出す薬をもらった。
2015/8/9 5日分の薬を飲みきったが、咳が更に激しくなり、痰の色も変わらない。下痢が始まった、恐らく抗生剤の副作用。夜は咳で全く眠れない。
2015/8/10 再度病院に行き、薬を変えてもらった。別の抗生剤、整腸剤、胃薬、喘息予防薬(ステロイド)、喘息予防吸入薬(ステロイド)が処方された。
昼ごはんの後、早速抗生剤とステロイドの飲み薬を飲んだ。しかし20分後、まぶた(両眼)が急にかゆくなり、直後右目が大きく赤く腫れだし、20分後顔が別人になった。
怖くなり、病院に連絡し、朝もらった全ての薬の服用を中止するよう指示をもらったが、激しい咳と痰が相変わらずで、とても不安になり、途方に暮れた。
2015/8/11 再再度病院に行き、三種類目の抗生剤が処方された。今度は眼瞼浮腫の副作用は出なかった。一安心。その他、咳止め、便秘薬、漢方薬も処方された。
2015/8/17 6日分の薬を飲みきった。痰の色は白くなり、咳はピークを過ぎたものの、まだ残る。夜はほとんど眠れていない。抗生剤の副作用で軟便が続き、便の色が黒ずんできた。
2015/8/20 人生で初めて死を覚悟した。朝3時過ぎ痰が絡み、咳き込んでいたら急に息を吸うことはできなくなった。この状態は1分近く続いた。息を吸えないまま死ぬかもしれないと初めて思った。しゃべれない、救急車呼べない。吸えないため、吸入剤があっても助からないだろう。冷や汗。その後なんとか徐々に吸えるようになった。助かった。そのまま朝を迎える。
すぐに病院に行った。今度は喘息になったという診断結果。再度ステロイド吸入薬が処方された。気道の慢性炎症は一生続くだろうと言われた。
2015/8/21 不安な一夜を過ごした。咳はまだまだ治まらない。眠れない。疲れた、くやしい。このまま一生ステロイドを吸入するのはいやだ!喘息になりたくない。やはりこのままではいけない。鍼灸治療をやってみよう。
2015/8/22 胡鍼灸治療院で一回目の治療が終了。一回の咳き込む時間は半分にと短くなった。痰の量はかなり減った。だいぶ楽。しかし、咳き込む回数はまだ変わらない。今日から吸入薬をやめた。まだ不安で睡眠はよくない。
2015/8/24 鍼治療二回目が終了。咳き込む回数が1/3以下、咳き込む時間も短いままでキープ。息が吸えなく窒息死という死に方はしないで済むような気がしてきた。睡眠は少し取れるようになった。からだは楽。
2015/8/27 鍼治療三回目が終了。咳は9割よくなった。夜中に(いつも3時台)一度だけ咳で起きたが、またすぐ眠れた。
2015/9/3 鍼治療四回目が終了、ほぼ健康時の状態に戻った。今後は経過観察でよいと言われ、今日で治療が一段落。
このように、しつこい咳や喘息に対して、鍼灸の治療効果は明快で、即効性があります。治療法の一つとして鍼灸もあるという認識があれば、もっと早い段階で治癒に向かう可能性が高いです。この患者様は以前別の症状で何回かうちの治療院に通われた方で、今後季節の変わり目など体調を見て予防的に鍼灸治療を受けたほうがいいと、お話をさせていただきました。呼吸器系の病気は季節性もあり、「くせ」になりやすいです。何年間経過を見て、ぶり返すことなく状態が安定するまで油断はできません。