症例紹介:足の痛み
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
先週、足の痛みが原因で車いすになった患者さんが、二回の鍼灸治療でだいぶ歩けるようになった症例を紹介いたします。
患者様:80代の女性、T様
初診時症状:
数年前交通事故に遭い、それ以来傷めた右足がずっと痛みがある(右ひざは人工関節)。運動量が減り、段々左足も痛くなってきた。今は両足が痛み、浮腫みがあるため、歩けなくなり、外出時は車いすになってしまった。家の中では歩行器か杖を使って移動、痛いため、ほとんど歩かなくなった。時々仕事に出かける必要があるが、健康状態に不安と焦りが日々強まり、精神状態も悪くなり、泣きだしたりイライラすることが多くなってきた。認知能力が悪くなった。
治療結果:
身体と心(精神状態)が一体であるため、足の痛みの治療と同時に、心の治療も必須です。心の治療は認知能力を高め、怒りや焦り、落ち込みの感情を落ち着かせることができると共に、身体の痛みに対する感じ方が過敏になりすぎないようにバランスをとります。
鍼灸が身体の痛みを取る治療効果は確実で、その仕組みは以前のブログで(「どうして鍼灸は効くの?」シリーズ)で詳しく解説しています。ご興味のある方は少し溯ってご覧ください。
鍼灸治療は薬物治療(痛み止め薬、抗不安薬等の向精神薬による治療)と違い、副作用はなく、心のバランスを取り戻すと同時に痛みを和らげていきます。
2回の治療が終わった後、車いすで治療院にいらっしゃっていたのが、ご自身で杖を使い歩いて、治療院に上がってくるようになりました。ご家族によると、精神的な症状(イライラ、話の途中から泣き出す)もこの頃見受けることはなくなったそうです。3回目の治療が終わったら、治療院の中でスイスイと歩き、歩くスピードは上がり、ほとんど杖は要りません。T様ご本人も笑顔です。再来週の4回目の治療は、患者様も私も楽しみです。