どうして鍼灸は効くの(69)?
二、首の病気
ここでいう首の病気も整形外科範畴のものを指します。首の病気に対する鍼灸治療の効果は以前、治療院ホームページの「鍼灸師ブログ」で症例報告をさせていただいたことがあります。時には治療する側もびっくりするような効果です。例えば10年ぐらい各種治療を続けていてもなお苦しむ頚椎症をわずか数回の鍼灸治療でほぼ完治するような症例など、今までうちの治療院で定期治療を受けていても、症状改善や完治しないような症例はまだ見たことはありません。首の病気は頚椎症以外に、頚椎ヘルニア、頸肩腕症候群、頚椎ねんざ(むちうち症)、首こり・肩こりもあります。
頚椎関節は日常生活で腰椎関節の次に酷使されています。最も磨耗されやすいのは第5・6・7頚椎の間、第7頚椎と第1胸椎の間の関節です。頚椎症の病理変化は腰椎と同じ、椎間板の磨耗・変形、上下の骨に骨棘が出たりすることで、頚椎神経や脊髄が刺激され、首、肩、背中、腕、指先まで痛みや痺れが生じたり、足の症状が出たりすることもあります。
頸肩腕症候群は首から肩・腕にかけての痛みと痺れなどの症状があり、なで肩で生じやすい「胸郭出口症候群」も含まれることがあります。腕や肩の使いすぎ、パソコン作業などで長時間同じ姿勢でいることが原因でなりやすくなります。頚椎症と同様に鍼灸の治療効果は確かです。
むちうち症は首のねんざで、交通事故でよく起こる病気だと知られていますが、日常生活でご年配の方がぶつけられたり、転んだりすることも頚椎ねんざがおこることがあります。ねんざなので、首周囲に炎症性病理変化が起こり、損傷が軽度の場合は短期間で治りますが、中度や重度の場合、治るまで数ヶ月から数年かかることも珍しくありません。病期を短縮するには鍼灸治療はとても効果的です。
首こり・肩こりは日本の「国民病」といえるくらい、どなたもなりうる症状です。ここであえて「症状」と呼ぶのは、単純な「こり症」は病気ではありませんが、症状としてはかなりつらいです。首・肩のこり症になる原因を探ってみると、薬の副作用、高血圧、自律神経失調症、近視・乱視、歯の噛みあわせなどの症状の一つとしてありますが、最も多い原因は、目・首・肩・腕の酷使、長時間で同じ姿勢でいることが原因です。
実際にこり症を克服するのは運動が一番です。運動によって過度な緊張がある筋肉をほぐして、ふだんあまり使わない筋肉を収縮させて血流をよくします。ただし、運動しても改善できず、首・肩がこっているだけではなく、目の芯が痛い、頭が重くて痛い、背中全体が張っている、つらくて食欲までなくなるとなったら、鍼灸の出番です。鍼灸治療は即効性があり、持続期間が長いという特徴があります。
鍼灸治療は、
・筋肉のこり(過度な緊張)をほぐす
・血管を拡張して血流を良くする
・筋にたまっている老廃物質・発痛物質などを体外に排出し、痛みを鎮 め、損傷組織の修復を早めます。
・副交感神経を優位にさせ、神経の緊張をほぐす
などの作用があります。
大好きなひまわり、子供の時はおばあちゃんが庭でひまわり畑を作り、食用のひまわりの種をたくさん収穫していた記憶があります。ひまわりの種はとても美味しくて、食べだしたら大体止まらなくなります。
ルビーという品種らしいです。
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