十二月の養生法
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
今年は後一ヶ月となりました。世界中の人々にとって、2020年はあらゆる意味で忘れがたい年になってしまったかと思います。新型コロナウィルスCOVID-19の犠牲になった人々に心から哀悼の意を捧げます。まだまだ戦いの道のりに終点が見えない今、改めて皆様と一緒に頑張っていく決意をし、覚悟の2021年を粛々と迎えたいと思います。
十二月には二十四節気の「大雪」と「冬至」があります。11月の「小雪」に比べ、「大雪」の頃は寒さが増してきて、「大雪」の日に雪が降れば、くる年の農作物の豊作を象徴すると言われております。「冬至」は一番昼が短く、夜が長い日ですが、東洋医学の陰陽学説においては、陰気が極まり、やがて陽気へと転化するという重要な日でもあります。昔から冬至を一年の始まり、そして太陽の出発点とし、太陽に通じる色である「黄色」を持つゆずやかぼちゃのお料理で冬至の日を健やかに過ごされたらいかがでしょうか。今年は、
12月 7日(月):大雪
12月21日(月):冬至(ゆず湯、かぼちゃのお料理)、木星・土星超大接近
また、
12月10日(木):世界人権デー
12月31日(木):大晦日
年末となると、どこのおうちも大変お忙しくなり、お仕事も受験勉強も年末の大掃除も疲れすぎないように、楽しく忙しい日々をやりくりしましょう。今年の11月が暖かかった分、体はまだ寒さに完全に慣れていないでしょうから、急に寒くなる日に備え、食材や衣服などで積極的に体を暖め、風邪、インフルエンザ、肺炎にならないよう気をつけましょう。部屋を暖房器具で暖め、夜は早めに暖かいお布団に入り、朝は日の出の前に無理に起きず、7時間の睡眠時間を確保しましょう。
また「血圧サージ」に特に気をつけないといけない季節になりました。12月、1月、2月は血圧が高くなり、脳卒中や心筋梗塞になりやすい時期です。私の患者さんの中にも、「血圧サージ」で突然脳梗塞になったと思われる方はいらっしゃいます(脳梗塞後遺症の治療でいらっしゃっています)。
東洋医学では、冬は五臓六腑の「腎」を守る季節で、色の黒い食べ物は腎の養生に良いとされております。今月は黒の干しいけたと白の大和芋を使った超簡単煮物を作ります。白の食べ物は東洋医学の五臓六腑の「肺」の健康にいいとされております。また、免疫力を高めるためにまず取り入れるべきな「良質たんぱく質」の豚ヒレ肉を使った「桜桃肉」(酢豚)も一緒に作ります。こちらは酢豚の野菜のないバージョンで、私が小さい時に食べた酢豚の味です。鮮やかな色合いのせいか、お正月には必ずと言ってもいいぐらい「桜桃肉」が食卓に出てきます。
「干し椎茸と大和芋の超時短煮物」
材 料:水で戻した干し椎茸、大和芋、醤油、砂糖、(山椒)
作り方:
①水で干し椎茸を戻します。近所のスーパーで買った干し椎茸は戻すには6時間以上かかります。朝水につけて、夕方作るにはちょうどいいと思います。
②フライパンに少しオリーブオイルを敷き、食べやすい大きさに切った大和芋と干し椎茸を軽く、焼き色がつくまで炒めます。
③干し椎茸の漬け汁を入れ、味付けは醤油、少しのお砂糖(と山椒、あれば)だけです。
④汁がなくなるまで中火で煮ます。これで出来上がりです。
効 用:長寿食としての椎茸は腎、胃の調子を整え、免疫力を高めます。特に干し椎茸はビタミンDが多くなり、更に免疫力を高めるにはいいです。新型コロナウィルスによる重症化の予防・治療にはビタミンDがいいですので、お勧めします。また、干し椎茸の漬け汁にも栄養があるため、捨てずに全部使いましょう。その他、椎茸は高血圧、高脂血症、高血糖の改善にも
いいとされております。一方の大和芋は漢方薬にも使われており、滋養強壮、気力を高める、胃腸の調子を整えるなどの作用があります。東洋医学においては、五臓六腑の「脾」、「肺」、「腎」の経絡に入り、経絡の力を補う作用があるとされており、この二つの食材の組み合わせはこの時期に最強だと言っても過言ではありません。
「桜桃肉」
冬にさくらんぼ(桜桃)はないですが、豚ヒレ肉をさくらんぼの大きさに丸めて、ケチャップで色付けすれば、冬にもさくらんぼの甘酸っぱさを味わえることから、この名前がついたようです。私が子供の頃に食べた酢豚は全部これで、ピーマンや玉ねぎなどの入った酢豚は逆に一度も食べたことはありません。懐かしい昔の味です。
材 料:豚ヒレ肉250g、タレ(:ケチャップ110g、砂糖大匙2、お酢大匙1、塩大匙0.5)、水溶き片栗粉少し
作り方:
①豚ヒレ肉をさくらんぼの大きさにサイコロ状にきり、お酒と塩で15分ぐらい下味を漬けます。
②①を丸め、片栗粉をまぶします。
③フライパンにオリーブオイルを160度に熱し、②を揚げます。
④一旦取り出し、油の温度を180に上げ、二度揚げします。ここで油がある程度吐き出されます。元々③で使った油の量も少ないため、それほど油のことを気にしません。
⑤フライパンを軽く拭き、油を少し残し、事前に調合したタレを入れ、弱火で軽くタレを炒め、水溶き片栗粉を入れ、丁寧にかき混ぜます。
⑥⑤に④を入れ、タレがきれいに絡むように、軽く混ぜ、出来上がりです。たまには食べたくなる味です。なかなか美味しいですよ。
私が買った干し椎茸は最低でも6時間の戻し時間が必要でした。事前に戻しましょう。
焼き色がつくまで。
味付けはお好きなもので。私は醤油、砂糖、山椒の粉だけを使いました。
出来上がりです。
この写真からはよくお正月に食べた「桜桃肉」の作り方です。タレと水溶き片栗粉は事前に用意しました。
ヒレ肉はお酒と塩で味付けします。
油は少な目でした。
一度揚げは終了です。
二度揚げです。
出来上がります。お箸が止まらない甘酸っぱい味です^-^。