九月の養生法
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
近年、猛暑の夏は既に定番になっているようで、皆様はいかがこの夏をお過ごしでしょうか。
九月には、24節気の「白露」と「秋分」があります。2020年の「白露」は9月7日、「秋分」は9月22日です。また、
9日(水):菊の節句(菊の薬酒)
19日(土):秋の彼岸入(おはぎはいかがですか?)
九月後半から「陽」の代表である夏は影を潜め、秋の気配が少しずつ強くなってきます。とは言え、残暑と湿気が強ければ、胃腸の調子がイマイチという日もあるでしょう。呼吸器の感染症を予防する観点から、喉、鼻の乾燥、そして皮膚の乾燥や便秘にも気をつけましょう。
気持ちの部分では、思い悩むことがあってもなるべく気分転換を図り、ストレスが溜まらないようにしていただきたいです。東洋医学では、この時期の深刻な悩み事や悲しい気持ちは「肺」へのダメージをもたらすと考えております。ですので、立秋以降特に九月からは「肺」の健康を保つことが大事になってきます。西洋医学の「肺」は呼吸器官で、空気(ガス)交換という生命維持に重要な役割を果たしておりますが、東洋医学の「肺」は西洋医学の「肺」の働きを含めており、それ以外に、体内の水分を給水ポンプのように、全身に散布するという重責も担っております。「肺」がうまく機能しないと、呼吸問題以外に、全身が乾燥してしまい、それに関連する様々な症状が出てきてしまいます。一方で、「肺」は乾燥にとても弱いですので、一つの養生法としては、朝起きたらまず体温程度のぬるま湯をいっぱいか、コップ半分ぐらいを飲んでいただくことです。乾燥しやすい秋は水分を多少多めに飲んだほうがいいと思います。
今月は乾燥からくる咳、便秘、肌のトラブルに効く「豚肉」を使った簡単炒め物を作ります。短時間で作れますので、暑くてあまり台所に立ちたくない時にいいかもしれません。豚肉はご存じのようにビタミンB1も豊富で、疲労回復、老化防止にもいいとされております。豚肉と一緒に炒めるのはビタミンCを多く含むピーマン、そして五気では「涼」になるセロリー、この二つの野菜は夏バテに効き、夏のほてた体を優しくクールダウンしてくれます。食感をよくし更に栄養アップするために、豆腐の厚揚げを入れます。そして、今日のポイントはなんと言っても調味料の「シナモン」にあります。シナモンは五気の「涼」に属する食材をたくさん使う時に、アクセントとして入れたほうが「冷やしすぎ」を防げますし、東洋医学でいう「引火帰元」を促します。「引火帰元」は上焦に集まり過ぎた「火」を腎に引導し、腎陽を補ることです。顔や首、胸など上半身が熱くて、逆に足が冷たいという「上熱下寒」になった時に、上半身に集まった陽気をただ無くしたら、大事な陽気の無駄遣いになりますので、その陽気をうまく下半身に導き、バランスを取ったほうがより賢明な使い方です。
豚肉の簡単野菜炒め
材 料:豚ヒレ肉、セロリー、ピーマン、厚揚げ、調味料(シナモン、料理酒、塩、片栗粉、砂糖、醤油など)
作り方:
①豚ヒレ肉を細切りし、料理酒、塩、片栗粉で味付けます。
②厚揚げは湯通しし、細きりします。
③セロリー、ピーマンも細切りします。
④フライパンに炒め油(オリーブ油など)を少し入れ、①のヒレ肉を炒めます。
⑤セロリー、厚揚げ、ピーマンの順に入れ、味付けます。シナモン、塩、砂糖、料理酒、醤油など、お好きな味でどうぞ。
お肉の下準備
厚揚げを一度湯通しします。
みな細切りにします。
炒め始めます。短時間でフライパン一つで仕上げます。
調味料もシンプルに。
野菜不足も補えます。