免疫力を上げたい:ご自宅で据えるお灸の位置 & 症例報告:流産を乗り越え、第2子を自然妊娠!
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
まず(自然)妊娠報告です。
患者Aさん:40代女性、当院には1回/月のペースで健康増進のため数年通院しておられます。30代後半に第一子を自然妊娠にて出産しました。
経 緯:昨年7月のことですが、既に40歳代という年齢ですが、やはりもう一人お子さんがほしいと思うようになったそうですが、6月に妊娠の兆候があり、産婦人科で診てもらったら流産になってしまったことがわかりました。そのため、7月の鍼灸治療から妊娠しやすいような治療を加え始めました。間もなく、妊娠検査薬で陽性反応が出て、もう一度産婦人科に行ったところ、化学流産(受精卵が子宮内に着床したが、残念ながら育たず流れてしまうこと)だと言われてしまいました。Aさんは8月の治療でこのことを涙を流しながら教えてくださいました。引き続き、月に一度の治療を続けた結果、今は妊娠4ヶ月だそうです。来月に安定期に入ります!
さて、今新型コロナウィルス肺炎が市中感染による広がりを見せ始め、油断できない状況です。数人の患者さんに、もし自分で家でお灸をするなら、どこにお灸を据えれば免疫力を上げる効果が得られるかと聞かれましたので、簡単にお話します。
新型肺炎に限らず風邪にもインフルエンザにも手洗い、マスク、そして患者さんがおっしゃるように、ご自身の免疫力を保ち、高めるのが一番いいですので、7、8時間の十分な睡眠、栄養のあるお食事、適度な運動、ストレスを溜めないのはもちろん、鍼とお灸による予防治療も大事です。鍼灸の真髄は病気の予防にあります。もしおうちでお灸を据えるなら、週に二、三回のペースでいいと思います。ただし、前もって部屋を温め、風邪を引かないようお灸する間は体を冷やさないのが大前提です。薬局でお灸を買うときに説明書に据え方やツボの場所が書いてあると思います、その説明に従ってください。またインターネットでも検索すればツボの場所がわかるかと思います。
免疫力を上げ、呼吸系疾患の予防によく効くツボと言えば一例として、
手足にある「足三里」、「三陰交」、「孔最」、「手三里」、
首の後ろにある「大椎」、
お腹や背中にある「気海」、「神厥」、「中脘」、「風門」、「肺兪」、「膈兪」、「腎兪」
がよろしいかと思います。
特にお腹や背中にあるツボにお灸する時は、くれぐれお体を冷やさないように気をつけていただきたいです。お灸するために風邪を引いてしまったら、元も子もないですから!
定期的に当院に通われている患者さんに共通して言えることは、しばらく治療を続けると風邪やインフルエンザ、肺炎などにほとんどかからなくなったことです。例えばある女性患者さんの場合(初診時主訴:10年前に大腸がんの手術暦があり、便秘や肩こり、慢性疲労の治療のためにご来院された)、毎年通年風邪は4-5回、冬になるとインフルエンザはほぼ2回必ずかかっていましたが、鍼灸治療を始めてから風邪もインフルエンザもかからなくなり、かかりつけのご近所のクリニックにビックリされたそうです。免疫力を上げ病気を予防するには、副作用のない鍼灸治療は非常に有効な医療手段です。
今ブログで「どうして鍼灸は効くの?」シリーズを発表させていただいておりますが、鍼灸はどうして免疫力を上げる強い作用があるのかに関してはこれから順に紹介していく予定ですが、せっかく今日は免疫力の話になりましたので、簡単に一つの例を挙げます。
がん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞(NK細胞)は今その役割から有名になりましたが、実はNK細胞のもう一つの作用は体内のウィルス(に感染した細胞)をいち早く見つけ、そしてやっつけることです。例えば、インフルエンザウィルス、風邪ウィルスなど、また今回の新型コロナウィルスもそうです。適切な鍼灸治療はNK細胞の数を増やし&活性化できることは既に実証済みで、これはどうして鍼灸治療はインフルエンザ、肺炎(ウィルス性と細菌の両方)、風邪の予防効果があるのかを説明できる一つの裏づけ(他にも色々な要素があります)です。
中国広州中医薬大学は43匹の実験用ラットを使い、33匹のラットに8週間をわたって大運動量の強制性水泳訓練をさせ、運動性免疫抑制(適切な運動は免疫を上げますが、過度な激しい運動は逆効果で免疫を下げてしまう現象)モデルを作りました。中の16匹のラットに2週目から毎日鍼治療を施し、9週目にモデル組(17匹)、治療組(16匹)、強制過剰運動のない普通に飼養している対照組(10匹)のそれぞれのNK細胞の量を測ったところ、鍼灸治療と施した治療組はNK細胞の数は減ることなく、逆に13.17±0.61(%)と明らかに増加したという結果がわかりました。
鍼灸と免疫力増強との関係に関してはこれから(時期未定)、同シリーズで詳細に紹介させていただきます。
一昨日の金曜に圧力鍋で作ったおかずです。免疫力を挙げるのにいいですので、お薦めです。スーパーで豚肩ロース肉の塊は安く買えますので、最近よく使います。下処理したお肉に、里芋、ペコロス(北海道産の小さな玉ねぎ丸ごと)、にんにく、生姜、サンザシ、ナツメ、陳皮を入れ、味付けは和風でも中華風でもいいです。サンザシ、ナツメ、陳皮がない時は省いてOKです。この写真は材料と調味料をいっぺんに鍋に入れ、これから加熱スタートするところです。