三月の養生法
渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
三月には二十四節気の「啓蟄」と「春分」があります。「啓蟄」は春雷が鳴り始め、虫たちが驚く様子を表しています。「春分」は春という季節は既に半分まで来ているということですが、まだ気温の低い日もありますので、二月同様、保温と保湿には気をつけましょう。花粉症、アレルギー性咳喘息などのアレルギー疾患の方は特に食事、睡眠、ストレス解消に気を配り、予防できるようにしましょう。
新型肺炎には手洗い、マスク以外に、ご自身の免疫力を保ち、高めるのが一番いいですので、7、8時間の十分な睡眠、栄養のあるお食事、適度な運動、ストレスを溜めないのはもちろん、鍼とお灸による予防治療も大事です。鍼灸の真髄は病気の予防にあります。治療院に行けない方は週に二、三回おうちでツボにお灸を据えてもいいでしょう(ただし、前もって部屋を温め、風邪を引かないようお灸する間は体を冷やさないのが大前提です。お灸をするために風邪を引いてしまったら、元も子もないですから)。薬局でお灸を買うときに説明書に据え方やツボの場所が書いてあると思います、その説明に従ってください。またインターネットでも検索すればツボの場所がわかるかと思います。免疫を上げ、呼吸系疾患の予防によく効くツボと言えば一例として、手足にある「足三里」、「三陰交」「孔最」、首の後ろにある「大椎」、お腹や背中にあるツボ(「気海」、「神厥」、「中脘」、「風門」、「肺兪」、「膈兪」)は特に体を冷やさないように気をつけないといけません。
3月 5日(木):啓蟄
3月20日(金):春分
また、
3月 3日(火):桃の節句(ひな祭り)
3月12日(木):世界腎臓デー
3月17日(火):春の彼岸入(ぼた餅)
3月18日(水):世界睡眠の日
東洋医学では、春は「五臓」の「肝」に対応しているため、「肝」の養生を粗末にしてしまうと、「肝」を傷めるだけでなく、もう一つ五臓の「脾」も同時に傷めてしまいます。東洋医学最古の医学書「皇帝内経」は春について、こういう記述があります:春三月、此謂発陳。春の三ヶ月は、万物が古いものを推し開いて、新しいものを出す季節です。この時期に発芽する春芽を食するのは、体の陽気の生発を助け、春に大事にしないといけない「肝」の機能を養います。よくスーパーで見かけるのは緑豆もやしと大豆もやしがありますが、今月はもやしと卵の簡単炒め物を作ります。この間患者さんに、「最近のブログの料理は時間と手間のかかるものが多いですが、簡単に作れるものも挙げてほしい」と言われましたので、今日の炒め物は簡単に作れます^-^。
このもやしと卵の炒め物は別名「老幹部招待菜」です。私がまだ子供の頃に、食べ物や日常生活用品は配給制でした。育ててくれたおばあちゃんに連れられ、配給食料品をもらいに長い列に並ぶ記憶は今でも鮮明に残っております。お肉は高級品で毎日食べるのはとても無理でした。卵も同じで、ただ卵に関しては、物々交換でたまに他に入手できたのです。近郊に住む農家は自分で育てた卵を籠に入れて売りに来て、その卵と交換できたものは洋服でした。そうです、洋服を渡して貴重な栄養源である卵と交換しておりました。この時代でしたので、組織の上層幹部(老幹部)が管轄内の下組織に視察で訪れた時、ご招待用にこのおかずがよく作られていたという話があります。あえてお肉を入れないのは老幹部の廉潔を表す意味合いもあったかもしれません。お肉の下処理なども必要ありませんので、簡単に作れます^-^。
「もやしと卵の簡単炒め物」
材 料:卵、もやし、春雨、赤ピーマン、青葱、生姜、にんにく、塩、胡椒(或いは「五香粉」)、胡麻油、サラダ油
作り方:
①まず春雨を戻します。私がスーパーで買った春雨は熱湯で2分ぐらいでした。柔らかくなったらすぐに水切りし、お椀に取り出して、醤油と胡麻油で味付けします。
②生姜、にんにくをみじん切り、青葱と赤ピーマンはもやしの長さに合わせ、縦に細切りにします。
③フライパンにサラダ油を引き、溶いた卵(私はこの溶いた卵に事前に少し醤油を入れるのが好きです)を入れかき混ぜ、卵がある程度固まったら取り出します。パサパサになってしまうため、炒め過ぎは要注意です。
④フライパンをキッチンペーパーで拭き、サラダ油を引き、生姜とにんにくのみじん切り、もやし、①で味付けた春雨、赤ピーマンの順に炒めます。塩胡椒で味付けします。もし五香粉があれば少し入れるともっと美味しくなります。なければ、胡椒だけで十分です。
⑤最後に切っておいた青葱を入れ、サッと炒め出来上がりです。
卵、生姜、葱、にんにくは免疫力を上げる代表的な食材ですので、簡単に作ってもう一品おかずを増やしませんか。
家に椎茸(天日干し済みですので、免疫力を高めるにはいいです)2個残ったので、細切りにして一緒に入れちゃいます。
醤油と胡麻油でしっかりと味付けします。この作業は味の決め手です。
味付けた春雨と炒めておいた卵を入れます。
最後に青葱を入れます。
簡単に栄養が摂れて、バランスも味もよし、ご飯が進みます。