九月の養生法
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
今年の夏はやはり猛暑でした。残暑はまだ厳しい中、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
九月には、24節気の「白露」と「秋分」があります。
8 日(日):白露
9 日(月):菊の節句(菊の薬酒)
13日(金):十五夜(中秋の名月)
14日(土):満月
20日(金):秋の彼岸入(おはぎはいかがですか?)
23日(月):秋分
九月後半から「陽」の代表である夏は影を潜め、秋の気配が少しずつ強くなってきます。とは言え、残暑と湿気が多く残れば、胃腸の調子がイマイチという日もあるでしょう。冷房がまだ効いているため、喉、鼻、皮膚の乾燥や便秘にも気をつけましょう。
気持ちの部分では、思い悩むことがあってもなるべく気分転換を図り、ストレスが溜まらないようにしていただきたいです。東洋医学では、この時期の深刻な悩み事や悲しい気持ちは「肺」へのダメージをもたらすと考えております。ですので、立秋以降特に九月からは「肺」の健康を保つことが大事になってきます。西洋医学の「肺」は呼吸器官で、空気(ガス)交換という生命維持に常に不可欠な役割を果たしておりますが、東洋医学の「肺」は西洋医学の「肺」の働き以外に、体内の水分を給水ポンプのように、全身に散布するという重責も担っております。「肺」がうまく機能しないと、呼吸問題以外に、全身が乾燥してしまい、上記の様々症状が出てきてしまいます。一方で、「肺」自身は乾燥にとても弱いですので、一つの養生法としては、朝起きたらまず体温程度のぬるま湯をいっぱいか、コップ半分ぐらいを飲んでいただくことです。秋は水分を一日300ml程度多めに飲んだほうがいいと思います。
食べ物において「肺」の健康を考え、東洋医学では「白い」食材を時々取り入れたほうがいいと考えます。例えば、蓮根です。加熱した蓮根は更に胃腸の調子を整える作用もあります。残暑で冷たい飲み物の取りすぎ、薄着で冷房の効いた空間に長く滞在するなどで冷えた胃腸には生姜と陳皮を加え、蓮根のお団子を作ります。ここで使用する陳皮は今年の春に自分で干したもので(2019.3.15のブログをご参照ください))、本格漢方薬の「陳皮」と違いますが、自家製のもので代用します。私も始めてこの料理を作り、食べてみたのですが、美味しすぎてあっという間におかずもご飯も完食してしまいました。
蓮根団子の甘酸っぱ煮
材 料:
蓮根、鶏挽肉、にんじん、生木耳、生姜、陳皮、(飾り用、あれば:ねぎ、カラ-ピーマン)、調味料:塩、お酢(できたら黒酢)、砂糖、料理酒、醤油(少々)、サラダ油
作り方:
①下準備1:にんじん、生木耳、生姜、ねぎを細切りに、カラ-ピーマン三色をみじん切りにします。
②下準備2:蓮根を皮ごとにすりおろしたものを手で絞り、ボールの中へ。出てきた汁は小なべに入れます。
③下準備3:小なべを弱火にかけ水分を飛ばし、少しトロトロになってきたら火から降ろします。
④②のボールの中に鶏ひき肉、④で作った蓮根のつなぎ(冷まして下さい)を入れます。塩、料理酒で味付け、かき混ぜ餡を作ります。
⑤フライパンに少しのサラダ油をひき、生姜、陳皮を炒めます。更に、にんじんと生木耳の細切りを加えて炒めます。ここで、お酢と塩を入れ、しばらくお酢の酸っぱい成分を飛ばします。
⑥お湯をフライパンに足します。余裕のある方はお湯の代わりに生姜汁や陳皮を浸した水を使えたらなおいいです。ここでお砂糖を加えます。お酢と砂糖の量はお好みでどうぞ。
⑦④で作った団子の餡を小分けして小さく丸めながら、直接沸騰した⑥の汁の中に入れていきます。
⑧10分前後で汁が少なくなったら、味見して味は足りなかったらここで少しお醤油を足します。
⑨お皿に盛り付けて、お団子の上に事前に準備しておいたねぎ、カラーピーマンを散らしできあがります。
たまたまスーパーで産地直送の生木耳が買えたので、加えてみました。
蓮根を絞った汁を煮詰めて、小さい泡がたくさん出来たら、もう火を止めていいと思います。冷ましてくださいね。
片栗粉の代わりに、煮詰めた蓮根汁を使ってみてください。これは絶品団子をつくる秘訣です。団子も崩れることなく、しっとりとしております。
家に黒酢はなかったため、普通の米酢を使いました、これでも十分美味しいです。うちではお酢の量を少なめにしております。
ふわふろの蓮根団子の出来上がりです。本当にこの美味しさにびっくりしました!皆様もぜひ作ってみてください^-^。