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どうして鍼灸は効くの(20)?

2019年07月10日 公開

引き続き、経絡現象をお伝えします。

三、機械で測定された経絡現象

1、放射性同位元素(Radioisotope RI)示踪法で見た経絡

放射性同位元素(RI)が医学に応用し始めたのは1926年頃でした。32-Pは嘗て慢性骨髄性白血病の治療に使用されましたが、現在おもに基礎研究に使っています。1960年代に中国で治療量より低い32-Pを人体のツボに注入してその動態を観察しました。32-Pが移り流れている経路は経絡とほぼ一致しているのを確認しました。逆にツボではないところに32-Pを注入しても同じ現象の再現はありませんでした。

1980年代に、フランス、ルーマニア、中国などの国で、脳腫瘍・脳血管疾患、甲状腺疾患などの臨床検査によく使われている過テクネチウム酸ナトリウム(Tc-99m)注射液ジェネレータを用いて、ツボに注射したのち、シンチレーションカメラ(ガンマカメラ)装置によりその動態を観察しました。手首に注射されたTc-99mが経絡に沿って30〜110㎝ほど移動し、中に手首から胴体まで流れてきたものもありましたが、流れる経路の78%が経絡の流れと一致していました。同一肢体の違う2本の経絡のツボにTc-99mを注射すると、それぞれの経絡に沿って拡散していき、また、非ツボの場所に注射しても、注射液の移行がのろく、拡散するうちに近くにあるツボに入り、そのツボの所属する経絡に沿って移動するような現象は観られました。Tc-99mの移動速度は1.3〜4.4mm/秒で、移動方向は上下の両方向ですが、求心性に向かうほうはメインでした。また、放射性同位元素の移動経路は血管やリンパ管の走行とは関係がないと見られました。

 

2、赤外線熱画像計測装置(赤外線サーモグラフィー装置)で見た経絡

最初赤外線熱画像計測装置を使って経絡を探索したのはフランス人のJ.Borsarello氏でした。その後世界各国で盛んにこの方面の研究が行われていました。中国中医研究院鍼灸研究所は、鍼灸の刺激はなくてもヒトの体に一部の経絡が観察できると、特に背部と腹部の正中線に沿って縦の高温線がよく見られ、その出現率はそれぞれ51.7%と7.7%であり、この二本の高温線は経絡の任脈と督脈に相当すると報告しました。また、鍼灸で刺激すると経絡の出現率は更に高くなり、温度はより上昇し持続時間も延びると観察されました。中国の福建省中医研究院もほぼ同様な研究結果を発表しました。同院は外部からの干渉と刺激が一切ない状況で人体の体表赤外線熱画像を記録した結果、体表に帯状の細長い高温線があり、その分布は十四経絡とほぼ一致し、うち長いほうはその経絡の全走行を呈しているそうです。また、この循経赤外線輻射熱は動態的で、皮下や深部の大血管と関係がなく、人体に存在している自然的な生命現象だと強調しました。

 

3、皮膚通電抵抗測定器(ノイロメーター)で見た経絡

1950年代に医学博士の中谷義雄氏はノイロメーターを使い皮膚の電気抵抗を測ったところ、皮膚にたくさんの電気抵抗の低い点を発見し、このような点を「良導点」と呼んでいました。そして良導点は中医学のツボとほぼ一致しています。良導点をつないだ線を「良導絡」と名付け、良導絡はまた中医学の経絡と一致しています。すなわち、ノイロメーターを使って経絡の存在と走行を示したわけで、経絡の電気抵抗が低いですので、電気の伝導が容易になります。この発見は、ツボに鍼灸で刺激しそのひびきは経絡に沿って遠くの病所まで伝わって病気を治すという理論を裏付けました。

中谷氏の後に各国で同様な研究を実施されていましたが、研究結果はまちまちでしたが、経絡の高導電性という特色は認められています。

 

4、カルシウムイオン測定法で見た経絡

中国上海中医薬大学が微粒子(プロトン)誘発X-放射線発射(Particle Induced X-Ray Emission PIXE)技術を利用して経絡を観察しました。その結果、経絡上にカルシウムイオン(Ca²⁺)が集まっているように見えました。カルシウムイオンの密度が濃淡不均一でしたが、線状か帯状に集まり、その走行は経絡と大体一致しています。天津中医学院がイオン選択性電極を使ってウサギの経絡を探測しているところ、経絡のあるところにCa²⁺の濃度が周囲と比べると高いのがわかりました。不整脈のウサギモデルを作成し、その前肢にある心包経(心機能と関連性の高い経絡)のカルシウムイオン(Ca²⁺)濃度が低下してきましたが、不整脈が解除されたらCa²⁺の濃度がまた元に戻ったという現象が観察されました。この研究結果により、高濃度のカルシウムイオンがツボや経絡のさまざまな治療効果と関連性があると考えられます。

 

5、ATP測定法で見た経絡

細胞の核、細胞質や細胞小器官であるミトコンドリア内に核酸という高分子物質が存在します。それは塩基と五炭糖からなるヌクレオシド(nucleoside)が、リン酸ジエステル結合で多数重合したものです。中で含まれる五炭糖の違いによってリボ核酸(RNA)とデオキシリボ核酸(DNA)に分類されます。ヌクレオシドに1個以上のリン酸がエステル結合したものをヌクレオチドと呼び、3個のリン酸が結合したヌクレオチドはアデノシン三リン酸(ATP)と呼ぶ。

食物として摂取された糖質、脂質やたんぱく質などの栄養素からは酵素を介して一連の化学反応によってエネルギー源としてのATPが産生されます。筋肉の収縮、細胞内外物質の能動的輸送、たんぱく質の合成、エネルギーを必要とする生物学反応や各種各様な物質代謝は、ATPを消耗して行われています。つまりATPは生命活動のエネルギー源です。

一方、RNA*5の構成単位の一つはATPからリン酸を2つとったAMP(アデノシン一リン酸)です。この意味でATPはRNA合成の前駆体として必要とされます。そして近年、ATPは単なるエネルギー源ではなく、多彩な機能をもっていると報告されています。例えば①神経伝達物質としての働き、②抗疼痛作用、③抗血小板作用、④腫瘍細胞成長の抑制作用、などです。

2001年に、中国の高震教授が経絡はミトコンドリアにおけるATP量の多い細胞の集合だという仮説を提起しました。2009年に、イギリスのBurnstock氏はATPが鍼刺激の電気信号伝達の重要物質であるという仮説を出しました。彼は、鍼の機械的刺激・灸の温熱的刺激が皮膚の角質細胞、線維芽細胞や他の細胞に作用することで、細胞からATPが放出すると同時にレセプターのP2X₃とP2X₂/₃が活性化します。レセプターがATPを受容して産生する電気インパルスが感覚神経の末梢を通って脊髄の後角ニューロン(神経細胞)に伝わって、介在ニューロンを介し脳幹を経て、最終的に大脳皮質に到達すると説明しています。

経絡のATP仮説は、ツボがATPの含有量の多い細胞の集合点で、経絡がこのような集合点の集成線路だと集約されます。鍼灸の刺激でATPの放出を促進することだけではなく、細胞内ATPの生成も促進します。そのため、ツボ辺りの細胞はATPの含有量が多く、それによって経絡感伝効果も増すと考えられます。

*5 RNA(リボ核酸):RNAは主にアデニン(A)、ウラシル(U)、グアニン(G)、シトシン(C)という塩基をもつポリヌクレオチドです。すべての細胞に存在するRNAはメッセンジャー(伝令)RNA(mRNA)、リボソームRNA(rRNA)、トランスファー(運搬)RNA(tRNA)の3種があります。mRNAは蛋白質が合成されるときDNAの遺伝情報を写しとって伝える働きがあります。rRNAはリボソームを構成するRNAで、リボソームは蛋白質を合成する場所です。tRNAはリボソームでのアミノ酸のコドン(並び方)にしたがってアミノ酸を運ぶ役割を果たします。

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