症例紹介:自律神経失調症(頭がぼーっとする、不安・疲労感、首肩こり)
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
先月下旬初診でいらっしゃった自律神経失調症と診断された患者さんの症例を報告いたします。
患者さん:50代女性 Mさん
初診時主訴:
①今年8月朝起床時、急に全身倦怠感があり、首、肩、腕の違和感、重だるさを感じる。
②それから食欲は無くなり、夜もなかなか寝付かなくなり、一日中頭がぼーっとして、記憶力が減退。
③不安感が強くなり、特に午前中首・肩こりがひどく、体が重く、疲労感はずっとある。
④会社に行っても午前中は仕事にならない。
⑤血液検査ですべての検査数値は正常、肝炎ウィルス陰性、甲状腺ホルモンの数字も正常。
⑥うつ病の検査、「SDS抑うつ性の測定」結果は正常。
⑦病院からの漢方薬を服用したらなぜか症状が重くなり、薬を止めたら逆に少し改善する。ただ、睡眠改善に処方された睡眠導入剤を服用し始めた。
経過及び治療結果:
東洋医学の診断は「湿熱困脾」及び「肝陽上亢」になります。これらが原因になって一連の症状を引き起こしていると考えております。東洋医学においては、自律神経という定義はないため、自律神経失調症という診断にはなりません。鍼灸医学においては、診断即治療という原則のもと、治療方針を立てます。つまり、東洋医学的診断は鍼灸治療の根本にあります。なお、一般的に病院で言われる自律神経失調の症状は身体症状(食欲不振、体の痛み、頭痛、耳鳴、のぼせ、動悸、便通異常、疲労感、不眠)及び精神症状(不安、イライラ、やる気が出ない、気分の落ち込み)など、多岐にわたり見られます。
Mさんは二週間に一度の治療を開始して、一回目の治療で上記ほぼすべての症状が取れたそうです。特に首肩・腕の重だるさと気持ち悪さが取れたためか、ストレスが減り、不安感もだいぶ取れました。食欲が戻り、頭も少しずつクリアになってきた気がするとご本人がおっしゃいます。現在はまだ3回目の治療を終えたところですが、体調改善と体調維持に治療をしばらく続ける予定です。