九月の養生法
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
九月には、二十四節気の「白露」と「秋分」があります。「白露」は朝に木花の葉っぱに白い露が結ぶという意味で、この頃から朝晩少しずつ涼しさを感じられるようになります。「秋分」は先祖をまつる日として、秋の彼岸の中日です。秋分の日は昼と夜がほぼ同じ長さになり、秋分を過ぎると次第に夜が長くなります。
9月 7日(水):白露
9月 9日(金):菊の節句(菊の薬酒)
9月15日(木):十五夜(中秋の名月)
9月19日(月):秋の彼岸入(この日から一週間が秋の彼岸)、敬老の日
9月22日(木):秋分
九月後半から「陽」の代表である夏は影を潜め、秋の気配が少しずつ強くなってきます。とは言え、残暑と湿気が強ければ、胃腸の調子がイマイチという日もあるでしょう。冷房がまだ効いているため、喉、皮膚の乾燥や風邪にも気をつけましょう。
気持ちの部分では、思い悩むことがあってもなるべく気分転換を図り、ストレスが溜まらないようにしていただきたいです。東洋医学では、この時期の深刻な悩み事や悲しい気持ちは「肺」へのダメージをもたらすと考えております。中国古代文学を代表する、清代の名著「紅楼夢」に登場する林黛玉は、いつも悲しく思い悩む姿が一番美しいとされていますが、肺の病気を患い若くして帰らぬ人になってしまいました。作者の曹雪芹は東洋医学や薬膳にも精通していたという説があり、林黛玉の病気のくだりは全くの偶然とは思えません。
また、古代中国では「丁忧守制」という制度があります。国家官僚は両親が亡くなった際に、上司に報告し3年間休職しなければなりません。「親孝行」を最高の教養とする古代中国では当たり前かもしれません。「丁忧」の「丁」は「遭遇」、「忧」は「憂うつ」の意味です。しかし、どうして「丁悲」と言わないのか。それは、長期間悲しい気分でいると、やがて憂うつな状態になってしまい、的確な判断力を持てなくなるからです。そうならないためにも、この時期はなるべく楽しいことを思い浮かべ、笑顔でいることをお勧めします。東洋医学では、「喜」も「悲」も七情のうちですが、「喜治悲」(楽しい気分は悲しい気分を抑えられる)と考えております。
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