どうして鍼灸は効くの(3)? →鍼鎮痛③:体性―自律反射
2016年03月18日 公開
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
「鍼鎮痛①、②」で、「軸索反射」を書いてまいりました。鍼治療で血管が拡張し血流が増大することで、局所の血流改善→発痛物質の排除によって、痛みを鎮めることができます。
今日は、「局所」ではなく、「遠隔」部位の血流改善→発痛物質の排除について、体性―自律反射という鍼灸臨床において非常に大事なお話をさせていただきます。
大まかに「体性」は「体表」と理解していいです。体の表面に加えられた鍼灸の刺激は末梢の感覚神経を通して中枢神経(脊髄または脳)へと伝わり、中枢神経からは今度末梢にある自律神経に対して反応を起こします。中枢神経を経由することで刺鍼した局所だけでなく、全身性の、つまり遠隔部位での反射も起こり得ます。例えば、腰痛の治療に腰ではなく、足首にあるツボに刺鍼することは多いにあります。足首の刺鍼により、遠隔部位の腰の血流が改善され、皮膚温も上昇し、痛みは改善されていきます。
体性-自律反射のもう一つ重要な役割は五臓六腑(内臓)の機能を調節できることです。鍼灸治療で整形外科の病気だけでなく、内臓の病気にもよく効くという理由は、大半この体性-自律反射によるものです。これに関してはまた別の機会にさせていただきます。
今週の待合室のラナンキュラスです。このお花は本当に大好きです。