どうして鍼灸は効くの(2)? →鍼鎮痛②:骨格筋内の軸索反射
2015年12月16日 公開
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
2015/11/15 のブログ「鍼鎮痛①:軸索反射」において、鍼治療で起こる軸索反射の発生機序や鎮痛できる理由について記載させていただきましたが、今回は「軸索反射」の続きで、特に骨格筋(筋肉)における軸索反射を書いてみたいと思います。
ご存じの通り、鍼灸治療は首・肩・腰・膝・足の筋肉の痛み、コリ、疲労回復に非常に効果的で、しかも即効性があり副作用はありません。では、どうして鍼灸だけでこのような治療効果が得られるのでしょうか。これは筋肉内で起きる軸索反射が大きく関わっております。
筋肉内にある細動脈の血管は、血管に分布する交換神経の支配を受けて収縮したり拡張したりしております。この交感神経には2種類があり、アドレナリン作動性の血管収縮神経とコリン作動性の血管拡張神経です。
筋肉層に達した刺鍼により、感覚神経(求心性神経)末端から放出されたCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)がコリン作動性血管拡張神経に作用して、神経末端からアセチルコリンという神経伝達物質が分泌されます。このアセチルコリンは血管拡張作用があるため、筋肉内の血流が増加し、痛みを引き起こす発痛物質などの老廃物を流してくれます。同時に豊富な血流は筋肉の正常機能を維持するための酸素、栄養素も運んできますので、筋肉のコリ・筋疲労も緩和されます。
発痛物質は乳酸、水素イオン、ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなどがあります。
今週の待合室のお花