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どうして鍼灸は効くの?(96)-脂質異常症について

2025年10月01日 公開

三、脂質異常症

脂質異常症も糖尿病と同様に自覚症状は乏しく、血管の状態を悪くする生活習慣病の代表です。知らないうちに進行して、ある日突然その合併症としての心筋梗塞や脳梗塞で倒れてしまう恐れのある病気です。先進国の中で健診を定期的にやっている国はほとんどありませんが、日本では健康診断や人間ドッグが普及しているため、中年以降、脂質異常症のリスクは指摘されたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

 

誤解のないように、前提を言っておきます。脂質異常症の診断基準は血液検査によるHDL、LDL、中性脂肪の値で決められていますが、健診表に印刷されている基準値を超えても、怖がらず、基本的にまずは生活習慣の見直しからです。上限の基準値は一つしか印刷されていませんが、本来、年齢、性別、女性では更年期も考慮しなければなりません。つまり、これらの個人的条件によっては、基準値が本来変化するはずです。また、その方にとっての本当の正常値はその方の体しかわからないので、印刷された標準値を超えても、そこで焦せらず、もう一度運動や食べ物、睡眠、ストレスなどの生活習慣を見直しながら、情報収集をして、ご自身の年齢、家族歴、今までの循環器系の病歴の有無によって、医療介入(服薬)が必要かどうかはご自身で判断できるぐらい、このあたりの知識を身につけましょう。自分の健康は他人に丸投げせず、自分で守りましょう。例えば、更年期の女性で生理がなくなれば、LDL値が一気に150-170台に上がってしまうのは珍しくありません。この時期以降の女性にとってこのぐらいのLDL値は特に動脈硬化につながらないことが多いです。どうしてもご心配であれば、定期的に首の頸動脈エコーを撮り、動脈硬化の有無を経過観察すればいいのではないかと思います。

 

さて、循環血液(血清)中の脂質は、①コレステロール(C)、②中性脂肪(トリグリセリド TG)、③リン脂質、④遊離脂肪酸 から構成されています。コレステロールにはまた善玉コレステロール(HDL-C)と悪玉コレステロール(LDL-C)があります。これらの脂質は私たちのからだに非常に重要な役割を果たしてくれています。例えば、コレステロールはからだの全細胞の細胞膜を構成し、性ホルモンやストレスホルモンなどを合成し、口から食べた脂肪の消化吸収を助ける胆汁酸の材料で、免疫力や丈夫な骨を維持するビタミンDの合成に関与し、脳と神経細胞の機能維持に欠かせません。また、中性脂肪は私たちの体を動かすエネルギー源で、内臓を衝撃から保護し、体温を一定に保つ作用等などがあります。決して、このあたりの値がゼロ或いは少なければ少ないほうがいいというわけではありません。コレステロールや中性脂肪などの脂質がなければ私たちは生きられません。

しかし、この中のCかTGのいずれか、あるいは両方の増加(高脂血症)、またはHDL-Cが少ないと、脂質異常症と診断されます。脂質異常症のどこが悪いのかというと、(粥状)動脈硬化を引き起こすことです。そして動脈硬化を引き起こす危険因子はLDLとHDLのバランスです。

1、リポタンパク質とLDL/HDLのバランス

4種類の脂質はそれぞれ重要な働きをしています。脂質も他の物質と同じように血流によってからだの各所に送り届けられますが、脂質は水(血液)には溶けませんが、血液に溶け込むために、水になじみやすいタンパク質と結合しなければなりません。脂質とたんぱく質との結合体をリポタンパク質といい、脂質と結合するたんぱく質はアポタンパクです。

リポタンパク質は球状あるいは楕円球状をし、トリグリセリドとコレステロールエステル*22を芯にして、その上にリン脂質と遊離コレステロール、外側はアポタンパクに皮膜として覆われています。リポたんぱく質はその比重(密度)によって、カイロミクロン、VLDL(超低比重)、IDL(中間比重)、LDL(低比重)、HDL(高比重)と分類します。カイロミクロンの密度はもっとも低く、サイズはもっとも大きい。HDLの密度はもっとも高くサイズはもっとも小さいです。LDLとHDLはCに富んでおり、カイロミクロンとVLDLはTGが多いです。

血清総コレステロール(TC)の約2/3はLDL(低比重リポタンパク)です。LDLコレステロールは肝臓で作られ、血液循環により全身の末梢組織に運ばれます。そして組織細胞表面にあるLDLレセプターと結合して細胞内に取り込まれ、生理機能を果たします。LDLは細胞へのコレステロール供給源として重要な生理的な働きを果たしているので、からだにとってはなくてはならない重要なものです。

HDL(高比重リポタンパク)の働きは、LDLと反対に末梢組織細胞から余分なコレステロールを引き取って肝臓に戻すので、この代謝経路を逆転送経路といいます。肝臓でコレステロールが分解され、胆汁といっしょに腸に排出し、便として体外に排泄されます。

LDLを「悪玉」、「HDL」を善玉といいますが、以上のように、実際にはどちらも大事で、問題なのは二者間のバランスです。血中のLDLが多過ぎると動脈硬化の危険性は増しますが、実際の臨床ではLDL値が正常範囲であっても虚血性心疾患が発生するケースは少なくありません。また、LDLが少々正常値より高くてもHDLは高値であれば、動脈硬化は進みにくいことも分かっています。大事なのは、LDL/HDLのバランスです。理想な二者の比値は1.5以下とされています。2.0を超えると動脈硬化が進む可能性があり、2.5以上になるとかなり注意が必要で、運動&食事の改善をしながら、動脈硬化の程度を経過観察し、個人の状況によっては、例えば既に心筋梗塞、脳梗塞の病歴がある、或いは糖尿病を既に罹患しているなど、服薬も検討します。

 

2、HDLを増やす鍼灸治療

HDLの生成にはABCA1というたんぱく質が鍵を握っています。

細胞の生理機能や新陳代謝を果たすには、細胞膜を通してさまざまな物質の輸送が必要です。その輸送役に務め、ATPのエネルギーを利用し、物質を輸送する一群のたんぱく質ファミリー(ATP-binding cassette transporters ATP結合カセット輸送体)、ABCトランスポーターともいうたんぱく質は細胞膜に存在します。ABCA1はこのファミリーの一つです。ABCA1の輸送作用を介して、HDLの主要アポタンパクであるアポA-1が細胞内のコレステロールを受け取って、新しいHDLを合成します。さらに、この新生HDLは酵素のLCAT(レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ)の作用でCE(コレステロールエステル)が形成され、HDLが成熟化します。

HDLの生成過程でABCA1が重要な働きを果たしています。鍼灸は、ABCA1の発現や活性化にはどんな力を持っているか、武漢市中西医結合病院鍼灸科の実験で次のような結論を出されました。

この病院は実験用ラットに高脂質餌を与えて脂質異常症モデルをまず作り、モデルラットをモデル組、食事療法組、食事療法+鍼治療組、高脂質餌+鍼治療組に分けました。モデル組と高脂質餌+鍼治療組には続けて高脂質餌を与え、食事療法組と食事療法+鍼治療組には普通の餌を与えました。鍼治療は1日1回、連続して28日を行いました。実験期間終了後に、ラット全体を12時間断食させた後、血液のTC、TG、HDL-C、LDL-Cを測定し、肝組織中のABCA1を測定しました。実験後のデータを対照組(普通に飼育しているラット)と比較した結果、肝組織中のABCA1mRNAの発現レベルは、対照組は高いが、モデル組はかなり下がり、食事療法+鍼治療組は有意義に高いレベルで現れていました。肝組織中のABCA1タンパク質の発現は、モデル組は明らかに少なくなり、鍼治療組は割合に多いですが、食事療法も取り入れた鍼治療組はさらに有意義に改善されました。

鍼治療はABCA1の発現を高めることができて、善玉のHDLの生成を助け、HDL/LDLのバランスを改善することで動脈硬化の予防につながります。そして、同時に鍼治療だけでなく、食事療法つまり健康的な食事を実践することも大事だということを示唆しています。健康的な食事は例えば、過度の甘いもの&炭水化物の摂取を減らす、揚げ物&脂っこいお肉の摂取頻度を減らす、腸内環境を改善するための食事(食物繊維の多い野菜、豆、海藻、きのこ、雑穀)を意識するなどです。そして、とても大事なことがあります、それは運動です。ぜひお食事だけではなく、無理のない運動を日常生活に取り入れる工夫をしていただきたいです。例えば、私がよく患者さんにお薦めしているのは、家の中で足踏みする、非常に簡単でありながら、全身の有酸素運動です。天候に左右されず、場所も取りません。テレビを見ながらでもできますし、どこかの関節や筋肉を痛めることもありません。コツは腕を振って、普段外で歩くより少し膝を高く挙げるようにすることです。お食事の後にすぐにやれば血糖値の急上昇の対策にもなります。

 

*22 コレステロールエステル:血中に存在してするコレステロールの3/4はその化学構造上の水酸基(-OH)に脂肪酸が結合しています。この形のコレステロールをコレステロールエステルです。

このシリーズの内容は当治療院の許諾を得ないで無断で複製・転載した場合、当治療院(=作者)の著作権侵害になりますので、固く禁じます。

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