六月の養生法
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
六月には、二十四節気の「芒種」と「夏至」があります。「芒種」は文字通り、農作物を植える境目の時期を指し、なるべく「芒種」の前に植えるようにしたほうが良いとされていますが、種まき自体は実際もっと早い時期に行われます。「夏至」以後は、気温も湿度も上昇しはじめ、いよいよこの先は蒸し暑い、本格的な夏の到来です。
最近「六月病」という言葉も出てきました。この時期人は疲れやすく、のぼせ、動悸、息切れ、睡眠不足、やる気が出ない等の症状が出ることはよくあります。また咽頭結膜熱、水ぼうそう、お多福かぜ、手足口病等の感染症にも注意が必要です。従来のものに加え、今流行している新型コロナウィルスによる感染症にも引き続き予防対策をしっかりとやりましょう。経済活動が段階的に再開するにつれ、感染者数がまた増加するのは避けられませんが、私たち一人ひとりの努力は第二波、第三波のピークを抑えることができるのです。生活・雇用を守りながらみんなで頑張りましょう。
6月5 日(金):芒種
6月10日(水):入梅、時の記念日
6月21日(日):夏至
6月になると、多くの地域で梅雨入りとなり、曇り空や雨の日が増えてきます。梅雨が格別にお好きな方を除き、人の心も曇り空になりがちです。悩み事を抱えず、ストレスをなるべく発散させましょう。睡眠に関しては、夜少し遅めに寝てもかまいませんが、朝はなるべく早起きするようお勧めします。また非常に疲れが溜まった日は、20分から30分のお昼寝が疲労回復に役立ち、東洋医学でいう「気血運行」、「順応陽盛」に良いです。ただし、昼寝すると夜眠れなくなる方は昼寝をせず、体だけを横にして骨休め程度にすればいいと思います。
東洋医学で言う五臓六腑の「脾胃」は「湿邪」に弱いという性質があります。「湿邪」は特に消化器系のトラブルを引起しやすいです。例えば、口の中が苦い、舌の苔はネバネバして気持ちが悪い、胃もたれ、ちょっと食べたらすぐにお腹がいっぱいになってしまう、排便があってもすっきりしない、残便感があるなどです。また、痛みというよりも、膝関節や腰、足の太もも、ふくらはぎが重だるいという原因にもなります。
今月は免疫力を上げ、この時期に特に注意しないといけない「脾胃」の状態をよくしてくれるにんにくと豚肉を使ったシンプル炒めを作ります。味付けは洋風でも和風でもお好みでかまいません。
豚肉のにんにく炒め
材 料:
豚肉ヒレ肉300g、にんにく1玉半、卵、オリーブオイル、醤油、オイスターソース、塩、胡椒、片栗粉、青ネギ
作り方:
①豚肉ヒレ肉を食べやすい大きさのサイコロ状に切ります。にんにくは皮を剥きます。2片のみ細かく刻みます。
②豚肉の味付け:塩、胡椒、醤油、オイスターソース、片栗粉、卵白、オリーブオイル
よく混ぜてください。30分から1時間ぐらい置いておきます。
③フライパンにオリーブオイルを入れ、弱火でじっくりにんにくを炒めます。一旦にんにくを取り出します。
④フライパンで②で漬けておいた豚肉をじっくりと炒めます。刻んだにんにくを入れ、またしばらく弱火で炒めます。
⑤③で炒めたにんにくをフライパンに戻します。ここで一回味見して、少し醤油を回し入れ、味と色合いにに深みを足します。
⑥お皿に盛り付けて、お好みに青ネギなどを乗せて、出来上がります。
効 能:にんにくと豚肉の両方には滋養強壮、脾胃を丈夫にし、免疫力を上げ、疲れを取る作用があります。この料理は短時間で仕上げる炒め物ですので、柔らかい豚のヒレ肉を使ったほうがいいです。また、にんにくは気の巡りをよくする効果もあるため、特にストレスを解消したい時に召し上がっていただければいいと思います。
豚のヒレ肉をご用意ください。
下味をつけて30分から1時間ぐらい待ちます。
卵白も入れます。
弱火でにんにくを炒めます。
漬けておいた豚肉を炒めます。
出来上がりです。色の深みをもっと欲しい方は濃いめのお醤油を使えばいいですが、うちには今ないため、今回はこういう色になりました。
レタスの葉っぱに巻いて食べてもいいです。この日は、春キャベツの浅漬け、キュウリ叩き、壬生菜(みぶな)と桜エビの胡麻和え、ナスと油揚げのお味噌汁なども作りました。