春分以降の養生
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
今日は春分です。東洋医学最古の医学書『皇帝内経』によると、今年一年間の「主運」は「金気太過」です。今日のブログで使う用語は全て東洋医学に基づくもので、かなり理解しにくいかもしれません。例えば、「金気太過」の「金気」は「肺」という五臓六腑の一つが持つエネルギーのことです。また、ここでいう「肺」は西洋医学の解剖学でいう「肺」のことではなく、「肺」の持つ機能のことを指します(ごめんなさい、やはりわかりにくいです)。
つまり、わかりやすく言えば、今年通年かかりやすい病気は「肺」(及び肺と表裏関係にある大腸)と「肝」(及び肝と表裏関係になる胆)に関係する病気で、特に6月までは肺の病気にかかりやすいというのです。今年に入ってからパンデミックまでになった新型コロナウィルスによる肺炎の流行とこの「金気太過」とは単なる偶然の一致なのかどうかはわかりませんが。「肺」(=金)だけでなく、「肝」(=木)の病気にもなりやすいというのは、東洋医学の考え方で、「金克木」の性質があるからです。つまり、「肺の太過」は「肝の疏泄」機能に支障をきたし、様々な症状が出てきます。例えば、喉に何かがつかえている感覚、げっぷや胃酸が出る、目が充血し、視界がぼやける、突如乳腺の病気になる、うつっぽくなる、子宮筋腫の症状が例年よりひどくなる、などです。春は特に「肝」の養生に尽力すべきですので、上記の症状がすでに感じた場合、解決策を考える必要が出てきます。
紀元前になる中国前漢の書物『春秋繁露』には、「春分者、陰陽相半也、故昼夜均而寒暑平」というくだりがあります。つまり、今は体の中の陰陽バランスを含めたいろいろなバランスを調和させる一番大事な時期です。『皇帝内経』にある『素問・生気通天論』には、「陰平陽秘、精神乃治」と言っています。陰陽のバランス(西洋医学に当てはまると、自律神経のバランス、免疫システムのバランス、内分泌系のバランスなど、かなり無理矢理ですが)が保てる人は、身体が健康で、精神も愉快な状態になります。
今日の春分より、これから迎える清明、谷雨、立夏に向けての二か月は上記に書いた症状以外に、皮膚の腫れ、赤み、痒みにも気を付けましょう。皮膚の症状は東洋医学では「肺」の機能に関係しているため、つまり、今年一年間特に「肺」の問題、また不眠、うつ症状にならないよう、時々気分転換を図りましょうね。
ご自宅では、お灸や指圧などが有効です。例えば、手の親指と人差し指の間にある「合谷」、足の親指と人差し指の間にある「太衝」へのお灸や指圧、そして、胸の真ん中の胸骨上にある「膻中」(両乳頭の高さ)への指圧は特におすすめです。
しかし、症状はなかなか解決しない方は、鍼灸や漢方の専門家がいるところで一度きちんと診てもらったほうがいいです。
この時期におすすめの食材はパパイヤ、はちみつ、レンコン、クコの実、大根おろし、きくらげなどです。立夏までみんなで健やかに過ごしましょう!
白モクレン、今年は桜の前にちゃんと咲けて良かったです。
奇跡の一枚!カワセミの女の子^-^。
仲良しですね。
この状態のわらびは毒ありで、食べてはいけないんだって。
いよいよ桜満開ですね。楽しみです!