あけまして、おめでとうございます!
あけまして、おめでとうございます!今日は令和二年の元旦です。今年もみなさまにとって、健やかな一年となりますように、心からお祈り申し上げます。
渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
一月には二十四節気の「大寒」と「小寒」があります。「大寒」は「小寒」より寒いイメージがありますが、実際「小寒」のほうが寒い年がかなり多いようです。今年は、
1月 6日(月):小寒
1月20日(月):大寒
また、
1月 2日(木):初夢
1月 7日(火):七草の節句
1月11日(土):鏡開き
1月15日(水):小正月、小豆粥
1月16日(木):禁酒の日
1月18日(土):冬の土用入
一月は一年で最も寒い時期で、空気も乾燥します。東洋医学では、「寒邪」と言い、人体の陰陽バランスを崩す、外部(自然界)からくる邪気の一つだと考えます。寒邪は気血をうっ滞させ、痛みを引き起こす性質(凝滞性)や、毛穴や筋肉を収縮させ、全身を巡る「気」や経脈を収斂させる性質(収引性)などを持っており、万病の元となる「気・血・津液(水)」の循環障害を引き起こします。この寒邪に対抗するには、体の保温に努めるしかありません。例えば家にいる時も外出時も温かい服装にする、ホカロンを使うなどです。家の室温も暖房器具を使い温かく保ちましょう。うちのリビングは床暖房とコタツはありませんので、ホットカーペットを敷き、少しでも足元が暖まるようにしております。
食養生では、冷たいビル、氷水、アイスクリーム、生の葉っぱ類のサラダなど、なるべく口にしないように気をつけなければなりません。そもそも真冬になっても、これらの冷たい食べ物を食べたくて仕方がないというなら、自律神経や代謝機能、東洋医学でいう体内の陰陽バランスが崩れている可能性が高いです。
体を内側から暖める作用のある食材を積極的に摂りましょう。今月は体を温める効果のある海老を使ったお粥を作ります。鶏がらスープの元など市販のうまみ調味料を一切使わず、少し調理法を工夫するだけで、本格的な「超」がつく美味しい中華粥です。生姜やお好きな青菜を入れてもいいですし、栄養のバランスも申し分ありません。寒い一月に温かいお粥を食べたくなったら、作ってみてはいかがでしょうか。もちろん、七草粥も毎年外せません。
温まる極上海老粥
材 料:
一晩冷凍したお米、赤海老(有頭)、セロリ、ホタテ貝柱、生姜、小葱、塩、白胡椒、お酒、サラダ油
作り方:
①冷凍したお米を使えば、短時間(15分)でトロットロの柔らかいお粥になるため、前の晩に洗ったお米をそのまま密封容器に入れ、冷凍庫で冷凍します。私が使ったお米は胚芽米を白米に混ぜたものです。
②当日お米を冷凍庫から取り出し鍋へ。お水を入れます。今はサラサラとしたお粥を食べたい気分ですので、お水をかなりの量入れました。
③セロリと小葱を小口に切ります。生姜は細い千切りに。
④ホタテ貝柱に熱いお湯を入れ、戻します。お水でも良かったですが、最初から忘れていたため、後から慌てて戻す場合はお湯を使います。
⑤海老の下処理:今回使った海老は外国産の赤海老で、かなり大きい個体です。頭をまず取り除き、後で海老油を作るため捨てずに取っといてください。身の部分は背ワタを取り、ざっくり切ります。歯ごたえをよくするために、ある程度大きく切ったほうが食感がいいです。
⑥切った海老の身はおわんに入れ、お酒、塩、白胡椒をかけて軽く混ぜます。
⑦②の鍋を火にかけます。ホタテ貝柱を手で細く割けて戻し汁と一緒に鍋に入れます。生姜の千切りもこのタイミングで入れます。お湯が沸騰したら弱火に。
⑧フライパンに多めのサラダ油を引き、海老の頭を入れ弱火でじっくり炒めます。油は頭に一部吸収されるため、思ったより少し多めに入れたほうが海老油を多く採れます。炒める途中、時々木べらで頭を押さえ、うまみ成分が少しでもサラダ油に溶け出させましょう(力を入れすぎないように、雑味も増えますので)。しばらくしたら火を止め、網杓子で油だけを容器に取ります。驚くほど綺麗なオレンジ色の天然海老油が採れます。しかも、海老の香ばしい香りが当りいっぱいに広がっているはずです。
⑨⑦のお粥は15分ほど経てばかなり柔らかくなります。セロリと⑥の海老の身を入れます。
⑩⑧で作った海老油を入れ、お好みで塩&白胡椒をし、軽く混ぜます。切った小葱もパラパラと散らし、火をすぐに止めます。
⑪おわんに盛れば出来上がりです。お休みの日の朝食や、お昼にいかがでしょうか。とても本格的で、海老の濃厚な味わいが身に沁みる中華粥です。
海老は体を温める作業があり、生姜&ねぎとの組合せは冬ならではのお助け食材になります。海老は昔から滋養強壮の力があり、高たんぱく質で低脂肪ですので、高血圧の予防や肝機能を助けます。セロリも血圧を下げる作用があり、血液をきれいにする浄血作用も期待できます。なにしろ、お粥の主成分であるお米は胃を養い、直接な活力源になるため、一杯のお粥だけで元気な一日のきっかけになりそうな気がします。
お米は一晩冷凍してあります。特に時間のない時はこの方法を使えば、15分があれば、非常に柔らかいお粥になります。この写真にホタテ貝柱を忘れてしまいました。作っている途中に、「待ってよ、ホタテも入れればもっと風味が出るから、入れよう」ってなったので、この時点でまだ貝柱を準備していませんでした。
セロリの量をもっと増やしてもいいです。白菜やほうれん草を入れてもいいでしょう。
途中で思いついた貝柱を急いで戻します。
海老の下処理をします。頭を海老油作りに使いますので、捨てないでおきましょう。
身を大きく切り、下味をつけます。
お粥の鍋に火を入れます。この時生姜の細切りと細くちぎった貝柱(漬け汁も)も一緒に入れます。
フライパンに多めのサラダ油を入れ、海老油を作り始めます。
いい感じになってきました。
綺麗なオレンジ色。天然海老油です。あたり香ばしい海老の香りが充満しております。
火を入れてから10分ほど経ったお粥です。もう相当柔らかいです。
セロリと味付けしておいた海老の身を入れます。
さきほど作った海老油、そして小葱を入れ、塩胡椒で味を調えます。
本格派の温かい海老粥です!体と心も喜ぶに違いありません。今年も体を労わる美味しいご飯を食べて、元気に頑張りましょう!