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どうして鍼灸は効くの(32)?

2019年12月02日 公開

今日は鍼灸による血管拡張作用をみます。

(3)血管の拡張作用

昔から鍼灸の「活血化瘀」(血流を活発にし、血の塊を溶かす)の働きを利用して虚血性心・脳疾患を治療してきました。近年、鍼灸の「活血化瘀」の理論根拠を立てるため、各国で積極的に研究をしていて、合致した一つの結論は、鍼灸が血管を拡張する効果があるということです。血管を拡張させる要因の一つは、血管内皮細胞由来弛緩因子の一酸化窒素(NO)の産生を促進し、血管収縮物質のエンドセリン(ET)を抑制することにあります。

中国天津中医学院第二付属病院は、入院患者さんから100人(男42人/女58人、脳梗塞78例、冠状動脈虚血性心臓病22例)を選び、毎日2回鍼治療をし、15日を1クールで、2クールを続けて治療しました。同時に、近代医学の治療を受ける100人(男46人/女54人、脳梗塞80例、虚血性心臓病20例)を対照組として、血栓溶解薬のヘパリンを一日1回点滴して、15回を続けました。30日後、鍼治療組と薬物療法組の患者さんは同時に血液検査をした結果、鍼治療組のET値は治療する前の血液検査データより下降(86.48±7.22から79.20±7.06pg/mLに)したと同時に、NO値は治療前のデータより上昇(51.09±12.83から62.91±9.68μmol/Lに)しました。ヘパリン点滴組はETが点滴前の86.57±6.47から83.03±8.09 pg/mlに低下し、NOが49.67±10.04から57.20±9.76 μmol/Lに上昇したことがわかりました。両組の結果を見比べて大きな違いはなく、副作用のない鍼治療の効果は薬物療法に劣らないと証明しました。

中国湖南中医学院付属病院は鍼に温灸を加えて40名の高血圧の外来患者に治療を施すと同時に、同じ外来の40名の高血圧の患者さんに降圧剤を投与し、両組の治療効果を評価した結果、両方とも血漿のET量が減少、NO量が増加し、ET/NOの比率は低下しました。降圧剤はETを減らす効果が著明でしたが、NOの増加効果は鍼灸より少し弱いことも分かりました。結論として、鍼灸治療はETを減少すると同時にNOを増加する効果が明らかで、ET/NOの比率を有意義に調節して血管の緊張性を良いバランスに維持でき、血行と血圧を改善する治療効果を確認できました。

鍼灸による血管内皮細胞NO放出作用のメカニズムについて、日本の中谷好之先生は次のように説明しています。

①NOはNO合成酵素(NOS)によって作られています。「鍼灸の鎮痛作用」で神経伝達物質のサブスタンP(P物質)の話をしましたが、鍼灸の刺激でサブスタンPが血管内皮細胞のNOSを活性化してNOを放出します。

②鍼を刺入するとき、組織にある毛細血管や細動脈は鍼体により圧迫され血管内腔が狭くなり、血流の速度が速くなるので、速い血流で発生するずり応力(シェアストレス、shear stress)も強くなります。そのため、内皮NO合成酵素が活性化され、NOの放出が増加します。

③お灸をすると、熱の刺激で交感神経が興奮して一過性の血管収縮が起きます。同じようにシェアストレスが強くなりNOの放出が増加します。

 

ほかに考えられるのは、鍼の機械刺激とお灸の温熱刺激で、真皮や皮下結合組織のマスト細胞(肥満細胞)を聚集し脱顆粒させるものです。ツボ周辺にマスト細胞が多いに存在しています。そして鍼灸の刺激でマスト細胞が刺激を受けた箇所に遊走し集結します。蛍光顕微鏡で集まったマスト細胞から細胞内の顆粒を放出することが観察できました。顆粒にはヘパリン、セロトニン、ヒスタミン、サブスタンPなどを含みます。ヒスタミンは毛細血管壁や細静脈壁の透過性を高め、炎症があるときに重要な役割を演じています。ヘパリンは血液凝固阻止作用を持ち、血流をよくさせます。サブスタンPは中谷好之先生の説で、血管内皮細胞のNOSを活性化してNOの放出を促進し血管を広げる作用があります。セロトニンは血管平滑筋を収縮させることで血流の流れが一時的に悪くなりますが、シェアストレスも強くなりNOSが活性化され、結果として最終的には血管が収縮状態から解放され血流は良くなります。

狭心症の予防と治療の第一選択薬としてよく使われるのは亜硝酸化合物のニトログリセリン(現在は舌下錠、スプレー、テープ、バッカル製剤などさまざまなタイプが生産されている)です。ニトログリセリンは体内で加水分解され硝酸を生じ、さらに還元され一酸化窒素(NO)となります。NOは細胞内のカルシウム濃度を低下させるため、血管平滑筋を弛緩し、血管が拡張します。ニトログリセリンが優先的に冠状動脈を拡張させますが、全身の静・動脈血管平滑筋も弛緩するため、心臓への血液還流量が減少し心臓への負担を軽減しながら末梢循環を改善できるのです。

杏林大学保健学部生理学教室の研究によると、刺鍼した直後から末梢動脈の血流量が1.5倍から2.0倍まで増加し、抜鍼し30分経っても血管平滑筋の弛緩は続けています。この点において鍼の血流改善作用は治療薬のニトログリセリンに似ています。

 

実際に、狭心症という持病を持っている患者さんが軽い発作を起こしたとき、当院が教えた心経と心包経のツボである神門穴と内関穴を指圧しただけで、発作が治まったという話を教えてくださいました。

鍼灸は末梢血管を拡張させるもう一つの要因は、感覚神経の末梢からカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の放出を促進することもあります。国内外で鍼灸によるCGRP放出亢進に関する研究報告は数多くあり、特にCGRPの血管拡張・心筋収縮力増強による血行改善作用が強調されています。

 

次回は他の血管拡張の作用機序、血液粘性の改善作用について見ます。

20191002105026_IMG_2868_1 美しい苔の原生林、自然の倒木で命がしっかりと繋がれていきます。

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