二月の養生法
渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
受験生にとってまだまだ試練が続く二月、皆様いかがお過ごしでしょうか。二月には二十四節気の「立春」と「雨水」があります。「立春」は春を告げ、草木は芽生え始め、願いと希望に満ちた季節の始まります。「雨水」からは少し空気の湿度が上がるようですが、まだまだ乾燥していますし、気温も低い状態がしばらく続きます。一月と同様、体と生活環境の保温・保湿は欠かせません。また、そろそろ花粉の季節の到来です。花粉症の既往症状のある患者さんに対して、うちの治療院では一月下旬から予防の鍼治療を開始しており、非常に高い予防効果を得ております。
2月 3日(日):節分(豆まき)
2月 4日(月):立春
2月19日(火):雨水
東洋医学では、「春夏養陽」として、春はいよいよ体の陽気を養う時期に入ります。また、春は「五行」の「木」、「五臓」の「肝」にそれぞれ対応しています。
「肝」の重要な働きの一つに「疏泄」作用があります。「肝」は気血の流れを円滑、かつのびやかにします。この作用が衰えると、気が滞り、イライラ、怒りっぽい、不眠などの自律神経の症状や抑うつ状態になることがあります。また、胃腸の調子が悪くなり、肩こり、花粉症も発症しやくなります。ですので、この時期は特にストレスを回避&解消するよう心掛けましょう。
一月、二月は乾燥した天気が目立ちます。声がれ&喉の痛み、空咳、髪や唇、皮膚の乾燥&かゆみ、便秘などの症状に心当たりはありませんか。温かい白湯を少しずつ飲み、身体を潤い、風邪予防も一緒にやりましょう!
今日は身体を温める簡単即席スープをご紹介いたします。朝ご飯はもちろん、夕飯の時もあっという間に作れて、栄養バランスもよく、身体が温まり、消化にも優れております。鍋は使いませんので、洗い物は減ります。最近時間がない時はよくこのスープを作っております。
身体が温まる、養生即席スープ
材 料:大根のすりおろし、生姜、桜海老、豆腐、青じそ、醤油、胡麻油、胡椒
作り方:
①下準備:大根と生姜をすりおろし、豆腐はサイコロ状に切り、青じそはみじん切りにします。
②お椀に切った豆腐、桜海老、すりおろし生姜を入れます。醤油、胡麻油を回し入れます。また、鶏がらスープの元(化学添加物のないもの)を少し入れてもいいです。
③②に熱湯を注ぎます。スープを飲む直前になったら、大根のすりおろしと刻んだ青じそを入れ、胡椒を振って軽く混ぜ、召し上がってください。
効 用:冬の寒い時期にやはり生姜を使った料理は冷えた身体をすぐに暖めてくれます。熱した生姜からショウガオールという成分が出て、これが冷えた身体を暖めるのです。また血管を拡張して血圧を下げる作用もありますので、冬の高血圧にも嬉しい食材です。
大根のすりおろしはアミラーゼという消化酵素はとても多く、食べすぎや消化不良などの症状に効きます。元々古来から薬味の元祖はこの「大根」だと言われ、約300年前に書かれた有名な養生指南書「養生訓」には、毎日食べるといいと書かれています。
青じそは咳を鎮め免疫力を高める効果があります。豆腐と桜海老は良質なタンパク質で、消化によく栄養補給にはもってこいの手軽食材です。
切った豆腐、干し海老、すりおろした生姜をそのままお椀の中央に入れます。
調味料を加えます。もっと風味がほしい方はブイヨンや出汁の素(なるべく化学調味料の入っていないもの)を少し入れてもいいです。
熱湯を入れます。今の時期、豆腐などの食材は冷たいですので、スープの温度はすぐに下がりますので、猫舌の方もそれほど待つ必要はありません。食べる直前に大根のすりおろしと青じそを入れたほうが食材の薬効を堪能できます。