男性不妊の鍼灸治療および生活上の注意点
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
いよいよ冬本番の到来ですね。朝晩は特に肌寒くなっており、コートの出番が多くなってきました。
さて、不妊治療と言ったら女性の問題だと考えられがちですが、実は半分近く男性側にも何らかの問題があることが統計上でわかっております。うちの今までの不妊治療の患者さんを見ても、約3割はご夫婦で一緒に治療に訪れておられます。
最近治療の中で、男性不妊についての質問も受けましたので、簡単にまとめさせていただきます。
男性不妊の原因のほとんどは「造精機能障害」、つまり「精子」に問題があります。例えば、よく聞く「精子の数が少ない」、「精子に元気がない=運動率が悪い」、或いは全く精子はないといった症状です。
もし精液検査を受けられるなら、泌尿器科或いは奥様が通われる産婦人科でも一部できます。また精密検査となったら、専門の泌尿器科で行うケースが一般的です。精液検査は結果の変動が大きいことから、通常数回が必要で、「量」、「濃度」、「運動率」のデータが出されます。
精液検査以外に、染色体、ホルモン検査、精巣生検なども必要に応じて受けられます。
こうした検査で診断がつき、しかも治療方法がある場合、まず治療を試みますが、原因がわからない或いは治療法はないこともあります。そういう時には、よく患者さんに以下のことをお話して、日常生活上の注意を促します。
①精子も細胞ですので、細胞を傷つけるような激しい運動や著しく体力を消耗するような運動を避け、過度な肉体疲労を解消します。
②仕事などで受ける強いストレス、長い期間の緊張状態を緩和します。
③インフルエンザや風邪を引かないように注意します。特に高熱が出た場合は要注意です。
④十分な睡眠と栄養を取りましょう。
⑤タバコをやめ、お酒の飲みすぎは避けましょう。
⑥糖尿病や高血圧などの生活習慣病に気をつけましょう。
⑦身体を冷やさないように気をつけましょう。
⑧潰瘍性大腸炎の薬の副作用
なお、流行性耳下腺炎精巣炎による造精障害は治療できるケースは多く、合わせて泌尿器科での薬物療法等も一緒にお薦めします。
上記④番目のお食事に関しては、精子の運動率を上げる効果のある亜鉛を多く含む食べ物を積極的に摂りましょう。例えば、牡蠣、卵黄、豚レバー、牛肉、たらこ、煮干、ゴマなど。
また、抗酸化作用の高い食品は精子の質を向上させます。例えば、キャベツ、ブロッコリー、にんじん、かぼちゃ、うなぎ、秋刀魚、かつお、海藻、しょうが、にんにく、大豆、アーモンドなど。
近々の治療例では、共働きのご夫婦(30代)で、三ヶ月の鍼灸治療を経て、二回目の人工授精で無事に妊娠でき、先日元気な男の子の赤ちゃんが産まれたご報告を受けました。おめでとうございます!
秋は深まりました。