どうして鍼灸は効くの(5)? →鍼鎮痛⑤:内因性オピオイドとその受容体
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
シリーズ「どうして鍼灸は効くの?」は西洋医学の立場から鍼灸の治療効果を裏付けます。
みなさんは「鍼麻酔」という言葉を聞いたことがありますか。
1972年、アメリカ・ニクソン大統領の訪中に同行した記者が「鍼麻酔」を目の当りにして驚き、帰国後「ニューヨークタイムズ」誌に発表したことで、鍼による鎮痛効果があることは世に知り渡りました。鍼麻酔は外科手術が必須ですが、体質や持病などのため麻酔薬は使えないというジレンマに陥る患者さんに適用されます。特定ツボへの鍼による持続刺激だけで外科手術の痛みを緩和することで、患者さんは手術中も意識と運動機能を保てることから、「麻酔」より「鍼鎮痛」と表現したほうがより適切かもしれません。
どうして鍼麻酔のような不思議なことが実際できてしまうのか。
その当時タイミングよく西洋医学および薬学界では相次ぐいくつかの新たな発見が、鍼麻酔できる理由に対する強力な裏付けとなりました。
1973年: オピオイド受容体が発見される。
1975年:エンケファリンとエンドルフィンが発見さる。
1979年:ダイノルフィンが発見される。
エンケファリン、エンドルフィン、ダイノルフィンは中枢神経系(脳・脊髄)における代表的な内因性オピオイドで、内因性モルヒネ様物質とも言われ、オピオイド受容体と結合することで鎮痛効果を発揮できる神経伝達物質です。特定ツボへの鍼刺激はこの内因性鎮痛機構を活性化できることがわかってきたのです。鍼刺激により、内因性オピオイドの分泌が促進され、またオピオイド受容体との結合も促進されるのではないかと言われています。
秋晴れの朝、飛行機雲、気持ちいいですね!朝入れた熱々のココアをよく見ていたら、小さなハートが偶然に浮かんでいました(^-^)。