ご自宅でツボ押し①:春は「太衝」を押しましょう
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
さて、春になったら「太衝」を押しましょうということですが、実は一年中押していいツボです、ただ春に入った今は特に入念に押していただきたいツボの一つです。
以下の図は「太衝」の位置を示しています。「太衝」は両足の甲にあります。親指の上にある第1中足骨、人差し指の上にある第2中足骨の間の凹みを手指で撫で上げたとき、指が止まるところにあります。ここに足背動脈の拍動を触れることが多いです。
「太衝」は「足の厥陰肝経」上にある第3番目のツボ(経穴)です。足の厥陰肝経は人体の正経十二経脈のうちの一つです。鍼灸医学の「陰陽五行説」において、春という季節に対応する「臓」は「肝」で、つまり、春になると、「肝」の機能は非常に盛んになります。しかし、旺盛になりすぎるとき、次のような不具合が生じることがただあります:
①精神的に:イライラし、怒りっぽくなる。またはくよくよししてしまう。抑うつっぽくなる。頭痛。
②睡眠:入眠しづらい、或いはすぐ眠れても早朝1:00-3:00の間に起きてしまい、そのあとはなかなか眠れない。
③消化器:胃腸の機能が悪くなる。胃もたれ、胃痛、食欲不振、下痢か便秘。
④耳鼻咽喉:鼻血、目の充血、耳鳴り、めまい、喉のつまり感
⑤筋肉:筋緊張によるコリ、筋肉の痛み、震え
これらの症状があったら、ぜひ「太衝」を押しましょう。またこういった症状が出ないように予防するためにも、おすすめしたいツボです。押すときは手指(親指)で、或いはボールペンの丸いところなどを使い、皮膚の上から垂直に圧をかけます。少し強めでかまいませんが、くれぐれ皮膚に損傷を与えないようにしてください。一回押して力を抜き、これを100回を繰り返します。一日に数回に分けてトータル100回にしてもいいです。
ツボは左右の足に一つずつありますので、日ごとに左右交替で押してもいいです。
よく病は気からと言いますが、「肝」の経絡こそが病を引き起こす「悪い気」を悪さをする前に体から追い出すための重要な通路です。この経絡は14のツボがありますが、その中でも「太衝」が一番効き目があるため、病気全般の予防のためにも、ご自宅でツボ押しを頑張っていただきたいと思います。
さて、今日から「ご自宅でツボ押し」シリーズを始めます。当てはまるお困りの症状があるとき、あるいは病気の予防をしたいとき、役に立てていただけたらと思います。