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どうして鍼灸は効くの(52)?

2021年03月05日 公開

しばらくの間、鍼治療と人体免疫向上との関係性を見ていきます。前回は免疫細胞の一つである「マスト細胞」をテーマにしてまいりましたが、今回は線維芽細胞、血管内皮細胞、骨膜の三つを見てみます。

 

②線維芽細胞

結合組織にある細胞はたくさんの種類がありますが、最も広く分布する細胞は結合組織を形成する固有細胞の線維芽細胞(線維細胞)です。膠原線維束に沿って分布する紡錘状の細長い細胞で、豊富な粗面小胞体と発達したゴルジ装置をもつ。線維芽細胞は結合組織線維と基質を生成して、皮膚の再生、組織の修復、創傷の治癒など重要な働きを果たしています。しかも面白いことに、このような非免疫系細胞は免疫系の活動にも積極的に参与しています。

線維芽細胞は皮膚・皮下組織だけでなく、全身の組織・臓器に存在します。臓器に存在する線維芽細胞は必要に応じて免疫細胞に変身することはあります。そして、細胞自身は何らかの刺激を受けるとサイトカイン(インターロイキン、インターフェロン、ケモカイン)などの炎症性メディエーター、成長因子などを生成・放出し免疫活動に参加します。

 

「炎症」って言ったら、体に悪いものというイメージを抱いている方はいらっしゃるかもしれません。それは誤解です。炎症は本来体が外部からの悪い刺激や傷害(例えば、新型コロナウィルス、肺炎球菌、真菌などの病原菌、ケガ、放射線、紫外線による外傷など)から、私たち自身を守るための防衛反応と修復反応です。炎症反応がなければ、私たちは生きていけません。悪いのは炎症ではなく、炎症の過剰反応と誤作動です(一方では、外部因子ではなく、体内部で起こる自然炎症もあります)。例えば、新型コロナウィルスによる肺炎の重症化、全身臓器不全は外部から侵入したウィルス、今の季節にたくさんの方が苦しんでいる花粉症は本来体に無害である花粉に対するそれぞれの、炎症の過剰反応です。

 

線維芽細胞が分泌するインターロイキン(IL)は主にIL-6です。IL-6は造血幹細胞の増殖、視床下部―脳下垂体―副腎系ホルモンの分泌刺激など多彩な機能があります。免疫系に対する働きは、B細胞から抗体産生細胞への分化、免疫グロブリンの生成促進作用があり、T細胞に対してキラーT細胞への分化誘導作用、走化因子(ケモカイン)・細胞接着分子の発現促進作用があります。IL-6の免疫系賦活作用は主にJAK―STATシグナル伝導経路およびMAPKシグナル伝導経路により完成します。IL-6の次に放出するのはIL-8ですが、IL-8は好中球やT細胞の走化性と活性化を誘導する機能をもちます。

 

鍼治療の時、結合組織に鍼が入ると、特に手技(提挿、捻転など)を加えると線維芽細胞が刺激され、上記で述べた免疫性メディエーター、プロスタグランジン(PG)・一酸化窒素(NO)などのメディエーターを放出します。

 

③血管内皮細胞

毛細血管は単層の扁平上皮細胞からなりますが、この上皮細胞を内皮細胞と言います。動脈と静脈は内膜・中膜・外膜の3層からなり、血管の大きさにより構造に差異がありますが、いずれにして、血管内側の構造は内皮細胞です。

血管内皮細胞は様々な機能を持ち、

○血管の収縮・拡張(血管緊張性)の調節

○血管透過性の調節による物質代謝

○血液凝固・血栓溶解(凝固・線溶系)バランスの調節

○増殖因子などの分泌による血管の新生

などがありますが、免疫系に対しても大きな役割を果たしています。

炎症が発生したとき、マクロファージなどの細胞から腫瘍壊死因子(TNF)やインターロイキン-1(IL-1)を産生し、これらのサイトカインは血管内皮細胞を活性化します。活性化した内皮細胞の表面に接着因子、走化因子(ケモカイン)の発現が亢進し、白血球の血管壁への接着、感染症発生局所への遊走を助けます。

以前のブログで、ツボは通常血管の多いところにあると言ったことがあります。このため刺鍼する時に、出血をしないよう、極力目に見える血管を避ける必要があります。言い返せば、刺鍼した鍼のすぐ横に血管が通っているため、鍼による血管(特に毛細血管)への圧迫、手技による血管への刺激は十分に内皮細胞を活性化させることができます。鍼手技の一つに「囲刺」があり、病巣を囲む形で数本の鍼を同時に刺す治療目的はここにあるのではないかと思います。

内皮細胞は免疫系のバランス調節にも重要な役割を担います。内皮細胞表面に発現する接着因子・走化因子などのサイトカインの違いにより、誘導する免疫細胞の種類も違います。内皮細胞はこれらのサイトカイン間のバランスを制御し、適切な免疫応答を司ります。何らかの原因でこの機能が破壊されると、免疫細胞(たとえばTh1細胞/Th2細胞、CD4陽性T細胞/CD8陽性T細胞)誘導のバランスが崩れ、アレルギー疾患と自己免疫疾患を誘発してしまいます。

多数の研究報告によると、鍼の刺激は血管内皮細胞における免疫細胞誘導シグナルの制御機能を調節する作用があり、免疫系疾患に対し優れた治療効果をもたらします。

 

④骨膜

骨は関節面以外にすべて骨膜で覆われています。骨膜は線維層と細胞層からなり、豊富な血管・リンパ管・神経が存在し、骨の栄養・新生などの役目を果たします。

造血機能を担っているのは、胸骨・椎骨・肋骨・寛骨・頭蓋骨などの短骨・扁平骨です。これらの骨の骨髄は活発な造血機能を持つ赤色骨髄で、赤血球・白血球・血小板などがここで作られています。

ハリで骨膜を刺激して骨髄造血機能を増強する研究報告はまだ少ないですが、臨床経験として、これらの骨の部位にあるツボを骨膜まで刺すと、造血機能を改善する確かな効果が見られます。例えば、抗がん剤の副作用による造血機能障害のがん患者さんは、時より白血球の高度なレベル低下による治療中断を宣告されることがあります。治療中断までひどくならなくても、白血球の減少は避けられず、感染症にかかりやすくなるため、注意深く経過を診ないといけません。このようなかん患者さんが鍼治療を受けに来ると、白血球の減少、具体的にはリンパ球や好中球の減少が防げられます。

そのメカニズムは次のように推測されます:骨膜の血流がよくなり、骨膜表面にあるレセプターが鍼の刺激で活性化し、一連のシグナル伝導によって造血幹細胞の増殖も活性化し、白血球分化は促進されます。

20210223132430_IMG_1276 つぼみの数だけ楽しみが増えます。

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IMG_20210224_182619 月夜の白梅

 

 

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