九死に一生
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
久しぶりに頭にきました。
治療院近くお住まいの知人(Mさん)から電話があって、足が腫れて痛くてもう我慢できないそうで、どうすればいいかわからないと、いうご相談でした。
とりあえず足の状態を見せにいらっしゃってくださいとお願いしました。
そうしたら、左足が付け根から足首までパンパンに腫れあがり(少なくとも右足の1.5倍の太さまでになっている)、皮膚の色も変わり、熱を帯び、足を曲げることは難しい状態でした。しかも、痛い。
思わず言ったのは、「もう鍼灸をやってる場合じゃありません。すぐうちに帰って、救急車を呼び、今から病院に行ってください。足の血管が血栓で詰まっているため痛いんです、その血栓が肺に飛んでいったら命も危ないですので、今日からしばらく入院になると思います。」
数日後、入院中のご本人から電話があり、足の腫れも痛みも大部取れたそうです。病院に「どうして早く病院に来なかったの?今回は命拾いしたかもしれませんよ。」と言われたそうです。診断名は「深部静脈血栓症」。治療の甲斐があって、肺塞栓症に至らず、二週間の入院を経て今週無事にご退院されました。今は抗凝固薬ワルファリンを服用しているそうです。
退院後ご挨拶に来られた際に、少し詳しい話を伺えました。どうしてここまで我慢してしまったのか。
まず最初は長年かかりつけの循環器専門のA病院に、長年飲んでいた血管拡張剤をもらいに行った際、足が腫れだして痛いという話をしたのですが、足の状態を見てもらえず、どういうわけか、別の血管外科のB病院を紹介されました。
紹介されたB病院に電話したら、取れた予約は3週間後でした。そこでひたすら痛みを我慢して二週間を待ったそうです。とうとう我慢できず、鍼灸を受けたら少し和らぐではないかと考え、うちの治療院に電話したそうです。
二週間入院したC病院は救急車で運ばれた総合病院でした。A病院で10年以上もらい続けた全ての薬を全部やめさせられたそうです。
九死に一生。怖いのは深部静脈血栓症からくる肺塞栓症、初期発症の死亡率は10%~30%、急性心筋梗塞より高いです。患者ご本人は83歳、要介護の90歳のご主人と二人暮らしです。特に夜中に肺動脈が詰まった場合、気づかれない、救急車を呼ぶのが遅くなるなど十分にありえて、命を落としてしまうかもしれないことを想像したら、やりきれない気持ちになります。後一週間を待ったら、どうなってしまったのか。。。A病院はせめて、長年まじめに通ってきている患者さんが「足が腫れだし痛い」って言ったら、足を一目見てあげてください。そして、痛いところを手で触ってあげてください。そうしたら、明らかに炎症になっていて、ただ事ではなくもう待てないことがわかるはずです。
追記:昨日(12月20日)商店街でばったりMさんに会いました、今週C病院で経過観察の診察があったそうです。主治医の先生(40代だそうです)が、「Mさん、実に言うと僕は最初自信がなかったんです。今までたくさんの患者さんを診てきたんですけど、Mさんのようにここまでひどくなった方は初めてです。や~~、ここまで元気になられて、僕のほうがびっくりですよ。本当に命拾いしましたね、もうここからは我慢しないで、何かあったらすぐに様子を見せにきてください。よかった、よかった!」と言ってくれたそうです。
友人が数日前に摂ってきた写真です。