森林セラピーのおすすめ
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
昨年年末、東京最西端にある奥多摩町「おくたま巨樹に癒される森」に行ってきました。これは初めて散策した「森林セラピー基地」です。
「森林セラピー」とは科学根拠(エビデンス)に裏づけされた森林浴のことです。予防医学的効果が認められるもので、登山やハイキングとは違う概念です。偶然目にした書籍(「自然セラピーの科学」、朝倉書店)がきっかけとなり、奥多摩町の基地のことを知りました。
予防医学は病気にかからないようにするための医学です。つまり、病気予防の仕組みや方法を研究したり、病気になりにくい心身の健康増進を図るための医学です。私の仕事柄、当然予防医学と言ったら、まず「鍼灸」をおすすめしたいのですが、今日はあえて鍼灸の話をやめて、森林セラピーのことを紹介させていただきたいと思います。
各種実験データによれば、森林セラピーは現代社会のストレスを緩和し、生理的リラックス効果をもたらします。健康維持に必要不可欠な自律神経、内分泌、免疫システムのバランスを本来の良い状態に近づける作用があります。
例えば、がん細胞を攻撃する主力部隊の一つにNK細胞があります。森林セラピーに参加した後に、NK細胞の数、活性度などのデータが有意義に増加したことがわかっています。また、この効果は多少減るものの、ほぼ一ヶ月持続します。
東京都には、奥多摩町の基地以外に、檜原村にも森林セラピーロード「檜原都民の森 ~大滝の路~」があります。奥多摩町の基地には五つのロードに分かれており、今回は香りの道「登計トレイル」をゆっくり時間をかけて歩いてみました。寒い日でしたが、冬晴れの素晴らしいお天気に恵まれ、とても気持ちが良かったです。
しかし、時間のない時や疲れている時は遠くまで出かけるのは億劫になってしまいます。そういう時は、無理せず近場の公園でもいいです。大きな樹木があり、実際にその木々に触れられる公園のほうがより効果的です。
今月はじめに近所の公園に行って来て、1、2時間滞在するだけでも、いい気分転換になりました。