更年期症状にはエクオール?
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
さて、腰痛、めまい&動悸&消化不良の治療、及び更年期症状(主にホットフラッシュ)の緩和にいらっしゃる患者さんから、エクオールサプリメントを使っていいかの質問を受けました。とてもいい質問で、恐らくかなりの方が同じことを知りたいのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、あくまで食事から摂るのはベストです。しかし、食事から摂れているかどうかはわからない場合、以下のことを行ってもいいと思います。
①おうちでできるエクオール検査キットを使い、まず体内で食事から十分な量のエクオールが合成できているかどうかをチェックしましょう。
②エクオールレベルが低いとわかれば、更年期障害で処方薬を処方してもらっている主治医と相談してからにしてください。
③病院にかかっていない場合、近所の薬局の薬剤師さん(或いは栄養アドバイザーさん)に相談してからにしてください。またその場合、必ず用法用量を守り、副作用などの注意点も理解しておいてください。しばらく摂っても効果は感じられない場合、無理に摂る必要はありません。
さて、エクオールはそもそも何でしょうか。簡単に申し上げますと、大豆製品に含まれる大豆イソフラボンが「エクオール産生菌」という腸内細菌により体内で作られる成分で、女性ホルモンと構造が似ているため、更年期症状だけでなく、骨粗鬆症、乳がん、前立腺がんの予防に効果が見込めると言われております(女性ホルモン分泌が過剰の場合、逆に抑える効果もあると言われております)。しかし、日本人女性においては、大豆製品を食べていても、約45%前後の方しか体内でエクオールを合成できておりません。そのため、エクオール合成ができているか否かを検査したほうがいいです。好奇心から私も検査を受け、結果通知は以下のような形で来ました:
検査キットはネットで買いました。販売サイトでユーザー登録し、採尿した検体は郵送で送り返します。結果はほぼ一週間以内でわかり、ネットで確認します。私が受けたこの検査の費用は6千円弱です。
腸内菌の種類や「エクオール産生菌」の活性により、エクオールの合成量がその都度違ってきますので、腸内環境が悪くなれば産生量が下がりますし、逆に言えば腸内環境や食事の内容を改善すればエクオールの産生量が増えますので、一度の検査結果が生涯同じレベルで維持されるというわけではありません。ですので、今の検査結果が良くても慢心せず、検査結果が良くない方と一緒に以下の生活習慣を守っていく必要があります:
①必要量の大豆製品をほぼ毎日摂取します(過剰摂取を避けましょう)。
②腸内環境を整える食物繊維も一緒に摂取するよう工夫しましょう。
③7時間の睡眠を少なくてもとりましょう。
④適切な運動を持続しましょう。
⑤必要以上のストレスを溜めずに発散方法を見つけましょう。
なお、更年期障害に関しては、エクオールを補えば治るという単純な話でもありません。まず食事栄養、睡眠、運動、ストレス解消などの生活習慣を見直すことから始めましょう。そして、更年期症状と更年期障害との違いも理解しましょう。女性は誰でも更年期の年齢にさしかかると、女性ホルモンの分泌が時には乱高下しながら減っていきます、このホルモンバランスの崩れから自律神経バランスの崩れを引き起こしたりします。更年期症状は人によって様々で、必ずと言ってもいいぐらい誰にでも多少は出ます。「なんで私だけが?!」と思わないで、これが正常な生理変化で、緊張したり、ひどく悩んだりしないようにするのはうまく乗り越えるためのコツです。不快な症状は更年期が過ぎればいずれ自然に治ります。ただし、日常生活を送れないぐらいの重症が長く続く場合、今度は更年期障害に進行してしまっている疑いがありますので、無理に我慢せず、きちんと治療したほうがいいです。病院で女性ホルモン補充療法(薬剤、貼付剤など)を受けるか、ホルモン療法をやりたくない方は鍼・灸による治療も一つ良い選択肢です。
今年は桜の本格的な開花前に、木蓮は満開を迎えられてよかったです!