十月の養生法
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
早いもので、もう十月になりました。今年は台風に影響されない綺麗な紅葉が見られたらいいですね!
十月には二十四節気の「寒露」と「霜降」があります。文字通り、寒気は少しずつ強くなり、衣替えの季節です。今年は、
10月 8日(火):寒露
10月24日(木):霜降
また、
10月 1日(火):コーヒーの日
10月 2日(水):望遠鏡の日
10月11日(金):十三夜
10月13日(日):豆の日
10月14日(月):鉄道の日、満月
10月20日(日):世界骨粗鬆症デー、日曜日でも乳がん検査を受けられる日
10月21日(月):秋の土用入
10月23日(水):化学の日
10月は「ピンクリボン月間」(乳がん啓発月間)でもあります。第3日曜日の20日は乳がん検査を受けられるJ.M.S(ジャパン・マンモグラフィー・サンデー)です。検査を受けられる全国の医療機関はインターネットで検索できます(有料)。普段仕事、育児、介護などで平日病院に行けない方が日曜でも検査を受けられるよう、設けられた日です。
東洋医学では、秋冬は体内の陽気が収斂し、「陰精を養う」べきだと考えます。先月と同様に、もし悲観になるようなことがあっても、なるべく楽しいことを一つ見つけ、気分転換を図りましょう。或いは、逆に思いっきり人のいないところで泣くのもいいでしょう。「泣く」ことは「笑う」ことと同じように健康に大切です。泣けば、β-エンドルフィンが分泌され、鎮痛やリラックス効果が得られます。また、ストレスホルモンであるコルチゾールも多少ですが、涙と一緒に流されるため、免疫力が上がります。たまには、思いっきり泣いて、気分をすっきりさせるのもいいですね。
またこの時期の乾燥した空気も体の陰精を消耗し、五臓六腑の「肺」によくないと考えます。”金秋之時、燥気当令”という言葉があります。「肺気」が低下すると、痰が絡みやすくなり、せき、喉の痛み、嗄れ声などの不調が出てきます。また、「肺気」と関係深い皮膚の病気もこの時期からひどくなることがあり、たとえばアトピー性皮膚炎などです。
水分補給(一回100ml以下、一日何回も飲んでください。喉の渇きを自覚しなくてもです)を忘れずに、辛い食べ物がお好きな方は多食しないようにお願いします。
今月は「乳がん啓発月間」でもありますので、女性特有のがんの予防効果が期待できる養生食を作ってみました。簡単で栄養をしっかりと摂れて、しかも美味しいです。なお、男性にとっても免疫力が上がるおかずですので、ぜひご家族全員で召し上がってください。
「豆腐と鶉の卵の炒め煮」
材 料:
木綿豆腐、豚挽肉、鶉の卵(水煮)、シメジ、山椒、八角、ねぎ、生姜、にんにく、酢、醤油、キャノーラ油
作り方:
①まず美味しい炒め油を作ります。フライパンに多めのキャノーラ油を入れ、切っておいたねぎ、生姜、山椒粒、八角を入れ、弱火で五分間じっくり炒めます。
②ねぎが茶色くなり始めたら、火を止め、油だけを蓋のある器に濾過し、冷まします。この油は香辛料の香ばしい味が染みて、冷蔵庫で一週間保存できますので、色々な中華料理や中華麺のタレに使えます。
③早速②で使った香味油を使い、事前に水切りした豆腐を煎ります。崩れないよう、ゆっくり両面が黄金色になるまで煎ります。一旦お皿に取り出します。
④フライパンを軽く拭き、②で作った香味油を足し、まずみじん切りにしたねぎ、生姜、にんにくを軽く炒め、香りを出します。ここで挽肉、シメジを炒めます。
⑤お酢、お湯を足して、しばらくお酢の酸味を飛ばしてください。
⑥ここで③で煎った豆腐を鍋に戻し、醤油、お塩で味付けます。
⑦汁が少なくなったら、鶉の卵を入れ、更に煮詰めます。汁の量はお好みに合わせて調節してください。お皿に盛り付ければ完成です。
効 能:
豆腐はご存知の通り、今は世界で長寿食として食べられいます。女性ホルモンに似たイソフラボンがあるため、乳がん、男性の前立腺がん、胃がんの予防に効果があります。また、更年期を過ぎた女性に多い骨粗鬆症、高血圧、高コレステロールの予防効果も期待されます。これ以外に、豆腐に含まれるリノール酸、レシチン、βコングリシニン、サポニンなどの物質により、動脈硬化、脳の老化緩和、発ガン抑制効果、糖尿病などの生活習慣病の予防、美肌効果があると言われております。
他の食材の鶉の卵、豚肉、シメジも豆腐と同様に、栄養摂取をサポートし体の免疫力を上げる作用があります。今日はこれらの食材を一皿の家庭料理にまとめましたが、それぞれ別の料理に取り入れたりすることで色々なお料理が楽しめて、これからの季節に活躍します。
山椒粒、八角は香味油を作るための材料で、用意できない場合はなくても大丈夫です。その場合は普通のキャノーら油を使ってください。
香味油を作ります。この日はあまりたくさん作りませんでした。
ねぎがこのぐらいでもう火を止めてください。これ以上焦げると苦味がでてしまいます。ちなみに、このねぎがまた美味しいですので、麺の具材に使えます。
これ以降に使う油は全て上で作った香味油を使って調理します。材料不足で香味油を作れない方は普通のキャノーラ油を使ってください。味には大差はありません。
お酢の酸味をここで飛ばしてください。なお、酸味の好きな方はお湯の変わりに全部お酢にしてもいいでしょう。
見た目は地味ですが、味は優しく、ご飯のいいお供になります。