平成から令和へ ー 五月の養生法
こんにちは。渋谷区幡ヶ谷の胡鍼灸治療院です。
五月には二十四節気の「立夏」と「小満」があります。「立夏」は夏季の始まりを意味し、気温は徐々に夏らしく高くなり始め、農作物は成長期に入ります。「小満」は農作物がよく成長し、実を結び始めるところを指します。
5月 6日(月):立夏
5月21日(火):小満
また、
5月 2日(木):八十八夜(茶摘み)
5月 5日(日):端午の節句(菖蒲湯)、子供の日
5月23日(木):ラブレターの日
5月31日(金):世界禁煙デー
東洋医学の考えでは、夏という季節は五臓六腑の「心」に対応しています。立夏がある五月から「心」の養生を特に大事にします。「心」は人間の「神気」を内蔵し、五臓六腑を統括する重要な存在です。このブログでもよく「養生」という言葉を使いますが、養生するには、本来はまず「養心」からしなければなりません。たとえば、「平常心」を保つことです。怒りすぎるのはよくないのは理解できますが、嬉しいことがあっても、喜びすぎるのもまたよくありません。血圧が上がり、身体にとって強いストレスになりえるからです。しかし、感情の起伏は生きている限り、常にありますので、時には激しい感情に左右されてしまう自分を認め、そして受け入れることは大切です。常に「平常心」を保つことは簡単なことではありません、一生の修行になるかもしれません。一生をかけて「養心」するのは養生そのものです。
今月は「養心」するための薬膳を作ります。材料は蓮根と海老です。東洋医学の考えでは、蓮根は経絡の「手の少陰心経」に作用し、そして「脾経」と「胃経」とも関わります。具体的に効果としては、養心安神(心を落ち着かせる)、健脾養胃(消化器系の健康を保つ)、下痢を止める、清熱生津(余分な熱を取りながら体を潤す)などの作用があります。そして、海老は経絡の「足の少陰腎経」に作用し、強壮補精の作用があります。東洋医学では、先天の本とされているのは「腎」であり、後天の本とされているのは「脾」です。海老と蓮根の組合せは一皿のお料理で先天と後天の本の両方を補うことができ、まさに健康長寿に役立つ薬膳です。そして、簡単に作れますので、定番の家庭料理としてご利用なさったらいかがでしょうか。
蓮根と海老の中華炒め
材 料:
蓮根、海老、生姜、ねぎ、紹興酒、塩、砂糖、オイスタソース、沸騰した中華スープ、サラダ油
作り方:
①海老下処理:殻を剥き、海老の背中に包丁を入れ、背ワタを取ります。
②蓮根は皮を剥かず、きれいに水洗いします。包丁で食べやすいよう薄く乱切りします。
③生姜とねぎを細かく刻みます。
④フライパンに薄くサラダ油をひき、③を入れ、更に①の海老を加え、両面を軽く焼きます。
⑤④に②の蓮根を加え、海老と混ぜます。紹興酒、塩、砂糖、オイスタソースを加えます。更に沸騰した中華スープを足して、フライパンにふたをし、汁が少なくなるまで数分間煮詰めます。
⑥⑤をお皿に盛り付け、刻みねぎを散らします。出来上がりです。
中華スープは沸騰した状態で鍋に入れたほうが海老のプリプリを保つことができます。市販の粉末を使ってもいいです。
出来上がりです。豚スペアリブの煮物、大根の梅酢漬け、レタスの中華炒め、焼き椎茸なども作りました。